
株式会社Dr.トレーニングは、JAPANサッカーカレッジ様との産学連携カリキュラムとして、アスレティックトレーナー・サッカートレーナーを目指す学生21名に、対面 全30時間・6日間の特別講義を実施しました。この記事では、実施した内容・当日の様子・受講後アンケートの結果を、改善点まで含めてご報告します。
- 専門学校との産学連携として、対面 全30時間(6日間 × 5時間)の特別講義を実施
- 受講したのはトレーナーを目指す学生21名。事前学習の課題提出率は95%
- 受講後アンケートの総合満足度は4.84 / 5.0、「現場ですぐ使える」は4.95
- 受講前後の自己評価は2.64 → 3.64(+1.00)。全6領域で向上
- 80%の学生が「学校の授業とつながった」と回答
- 産学連携カリキュラムのご相談・トレーナー職の採用情報は記事末に
実施概要|JAPANサッカーカレッジ様との産学連携 特別講義
実施日は、2026年8月21日(金)・22日(土)・23日(日)、そして8月28日(金)・29日(土)・30日(日)。前後半あわせて6日間、1日5時間、合計30時間です。講師はDr.トレーニングの木村 寛明・青柳 陽祐が担当しました。事前学習を含めれば、学生のみなさんとは2か月以上をともにしたことになります。
受講したのは、サッカートレーナー専攻科・フィジカルトレーナー科・サッカー研究科の学生21名。多くがすでに学生トレーナーとしてチームに帯同し、現場を経験している学年です。
講義の到達目標|「痛みが消えたから復帰していい」からの脱却
私たちが最初に学生へ提示した到達目標は、ひとつだけです。
「痛みが消えたから、もうサッカーをしていい」という曖昧な判断から卒業する。
なぜ痛みが取れたのか。どう身体を動かせば再発せず、パフォーマンスが上がるのか。それを解剖学的な根拠に基づいて説明でき、選手に指導できるトレーナーになること。
現場に出れば「この選手、練習に戻していいですか?」と判断を求められる場面が必ず来ます。そのとき、なんとなくではなく根拠を持って答えられるか。30時間はすべて、この一点に向けて設計しました。
特別講義を貫いた3つの方針
01エビデンスを判断の基準に置く
「うちではこうやってきた」という経験則ではなく、エビデンスベースを軸に据えます。そのうえで、現場は白黒つかないことのほうが多いという現実も、そのまま伝えました。
02教えない、という選択をする
当初の計画にあった内容のうち、学生が講義の翌日に現場で再現したときにリスクを管理しきれないものは、あえて扱いませんでした。私たちが責任を負えない内容は教えない。その基準で、扱うテーマそのものを絞り込んでいます。
03体で受けて、体で覚える
座って聞くだけの時間を最小にしました。デモは必ず学生に被検者になってもらい、受けた感覚をその場で言語化してもらう。ラーニングピラミッドの原則どおり、「聞いた」で終わらせない設計です。

事前学習|対面講義の前に、動画・教材・課題を必修化
30時間を最大化するために、対面講義の前に事前学習を必須としました。オンライン講義動画の視聴、専用教材の読み込みと課題の提出、そして実技を「自分でやって見せられる状態」にしておくこと。この3点を、初日までの宿題としてお願いしています。
結果は、受講者21名中20名が全課題を提出(95%)、未着手ゼロ。選択式課題の平均正答率は91%でした。記述式も、全員が設問の要点を押さえて書き切っていました。
「全員が準備を終えて来る」——この前提が成立したからこそ、対面の30時間をほぼ全て実技と思考に充てることができました。ここは学生のみなさんと、送り出してくださった先生方に、まず御礼を申し上げたい点です。
6日間の様子|評価と手技の基礎から、プログラム作成と指導実践まで
前半の3日間は評価と手技の基礎を。後半の3日間は、学んだことを使って自分でプログラムを組み、人に指導するところまでを扱いました。
進め方は6日間を通してずっと同じ形です。まず場面や症例を提示し、「あなたなら、何をチェックしますか」と問いかける。先に答えは出しません。考えてもらってから答え合わせをして、デモを見せ、そのままペアで実践してもらう——この往復をひたすら繰り返しました。
後半は3人1組・全7組に分かれ、トレーナー役・選手役・撮影役を交代しながら、実際に人に指導し、その様子を動画で振り返り、板書して発表し、質疑を受けるところまで通しています。会場も教室からトレーニングルーム、体育館へと移しながら進めました。机の上で書いたものが現場で成立するかどうかは、実際に動いてみないと分からないからです。






最終日は、30時間を1本の線に戻すところから始めました。初日に掲げた到達目標に対して、いま自分はどこにいるのか。それを学生自身の言葉で言ってもらっています。
そして最後は目標設定ワーク。明日から現場実習で最初にやる1つは何か、いつまでに、どんな結果を出すのか。一人ひとりに宣言してもらい、30時間を終えました。全課程を修了された学生のみなさんには、修了証をお渡ししています。
受講後アンケートの結果|総合満足度4.84、自己評価は+1.00
最終日に実施した振り返りアンケート(記名式・その場回答/回答20名・回答率95%)の結果です。産学連携カリキュラムの効果を毎年比較できるよう、同じ設問で定量化しています。
総合満足度は4.84 / 5.0(6項目平均)
目盛 4.00 — 5.00
いちばん高かったのが「現場ですぐ使える(4.95)」でした。私たちが最も取りにいった指標が、そのまま最高点になったことに安堵しています。
受講前 → 受講後の自己評価は 2.64 → 3.64(+1.00)
同じ6領域を受講前・受講後で自己評価。全6領域で向上し、20名中16名が伸びました(最大 +2.50)。伸びが最も大きかったのは「自信」と「伝える力」。技術そのものより、それを人に渡せるかどうかが変わった——30時間の性格がよく表れた結果だと受け止めています。なお3名は自己評価がわずかに下がりました。いずれも受講前から自己評価が高かった学生で、受講後に自分の基準が上がり、より厳しく自分を見るようになった層です。これも成長のひとつの形だと考えています。
80%の学生が「学校の授業とつながった」と回答
産学連携の講義として、私たちがいちばん気にしていたのがここでした。外部の人間が来て、学校の学びと切り離された「面白い話」をして帰る——それでは意味がありません。学生からは、こんな声が挙がっています。
- 解剖学で学んだことが、相手に説明するときに必要だと分かってつながった
- 授業で学んだ検査法を、どの状況で使うのかが分かった
- 先生が言っていた「段階的に上げる」の具体性が分かった
- 意味が分かっていなかったことが、理由まで理解できてつながった
学校で積み上げてこられた土台があったからこそ、この30時間が接続点として機能しました。

学生の声|受講したトレーナー志望の学生21名から
アンケートおよび講義後にいただいたメッセージから、一部を掲載します(ご本人の了承のうえ、匿名で掲載しています)。
そして多くの学生が、アンケートの最後に「明日から、誰に、何をするか」を具体的に書いてくれていました。帯同しているチームの選手に。実習先で担当している選手に。リハビリでモチベーションが下がっている選手に——場面と相手まで、はっきりと挙がっていました。
学びが、その日のうちに行動計画に変わっている。私たちが30時間で最も見たかった景色が、ここにありました。
講師が受け取ったこと、そして次年度の改善点
正直に書けば、私たちのほうが受け取ったものの大きい6日間でした。
前半の3日間を終えた時点でアンケートを取り、分析していて、強く感じたことがあります。できているのに、自己評価を低くつける学生が非常に多いということです。「授業は分かった」と答えながら、到達度は「まだできない」とつけている。目の前でできていたのに、です。
普段から「できていない」を指摘され慣れているのだと思います。だから後半で私たちが最も変えたのは、進行ではなく関わり方でした。できていることを、個別に、名指しで承認する。講評ではまず「できていたこと」から言う。失敗しても大丈夫という環境をつくったうえで、できているところをきちんと褒める。
伸びが最も大きかった項目が「自信」だったことは、偶然ではないと思っています。
一方で、改善すべき点もデータではっきりと出ました。これらはすべて、次年度の産学連携カリキュラムの設計に反映します。
- 実技時間・参加の機会(4.65)── 満足度の中で相対的にいちばん低い項目。一人あたりの実技・発表回数をさらに確保する
- 最も難所となったパート(3.55)── 難しくなることは想定どおりだが、時間配分と反復をもっと厚くする
- 学校の授業内容との接続を、さらに明示的に設計する
よくあるご質問|産学連携カリキュラムについて
Q.どのような学校と連携できますか?
トレーナー・スポーツ・医療系の学科を持つ専門学校、大学、短期大学などが対象です。学科構成や学年に合わせて内容を設計しますので、まずはご相談ください。
Q.何時間から依頼できますか?
今回は全30時間(6日間)でしたが、時間数は個別に設計します。単発の特別授業から、年間を通した連携カリキュラムまで対応可能です。
Q.事前学習やアンケートも含めてお願いできますか?
はい。今回のように事前学習(動画+教材+課題)→ 対面講義 → 振り返りアンケートによる効果測定 → 次年度への改善提言まで、一連の設計としてご提供できます。効果測定の結果は学校様へ報告書としてお渡ししています。
Q.費用はどのくらいかかりますか?
内容・時間数・実施形態によって異なります。ご予算をお伺いしたうえでお見積りいたしますので、お問い合わせください。
Q.学生の就職や実習にもつながりますか?
講義の最終日には、Dr.トレーニングの事業紹介の時間も設けています。今回の受講生の中からも、当社への就職に関心を持ってくださった方が複数いらっしゃいました。店舗見学のご相談も承っています。
まとめ
JAPANサッカーカレッジ様との産学連携カリキュラムとして実施した全30時間の特別講義は、総合満足度4.84 / 5.0、受講前後の自己評価は+1.00という結果になりました。80%の学生が「学校の授業とつながった」と答えており、産学連携として狙いどおりの接続ができたと考えています。
同時に、実技時間の確保や難所パートの時間配分など、改善すべき点も明確になりました。この記事に書いた数字と課題は、次年度の設計にそのまま反映します。
専門学校・大学のご担当者様へ|産学連携カリキュラムのご相談
Dr.トレーニングでは、専門学校・大学をはじめとする教育機関との産学連携カリキュラムに取り組んでいます。今回のように、事前学習(動画+教材+課題)→ 対面講義 → 振り返りアンケートによる効果測定 → 次年度への改善提言まで、一連の設計としてご提供することが可能です。学校ごとの学科構成・学年・カリキュラムに合わせて、内容も時間数も個別に設計いたします。
「授業でやったことと現場がつながらない」「実習に出る前に、実践的な引き出しを持たせたい」——そうした課題をお持ちでしたら、ぜひ一度お話をお聞かせください。
トレーナーを目指す方へ|Dr.トレーニングの採用情報
Dr.トレーニングは、学ぶことに投資し続ける会社でありたいと考えています。今回の30時間も、社外の学生に向けたものでありながら、私たちが日々店舗で選手・お客様に向き合うときと、同じ基準で臨みました。「自分たちが責任を負えないことは教えない」「なぜやるのかを説明できないものは処方しない」——それは社内の教育でも、まったく同じです。
今回の受講生の中からも、Dr.トレーニングに興味を持ってくださった方が複数いらっしゃいました。現場で通用する「なぜ」を、一緒に積み上げていきたい方。説明会・イベントの開催情報もあわせてご覧ください。

最後に、貴重な機会をくださったJAPANサッカーカレッジの先生方、そして6日間・30時間を最後まで走り切った学生21名のみなさんに、心より御礼申し上げます。
現場でお会いできる日を、楽しみにしています。
株式会社Dr.トレーニング
講師:木村 寛明/青柳 陽祐
実施:2026年8月21日(金)〜23日(日)、8月28日(金)〜30日(日)/会場:JAPANサッカーカレッジ様