2024.08.31

「腰が痛い」時の筋トレメニューとストレッチをご紹介!

こんにちは。
Dr.トレーニング パーソナルトレーナーの東田です。 

重たい上半身を支えている腰には日々大きな負担がかかっているため、腰痛に悩む方は少なくありません。

厚生労働省が行った「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」でも、男女ともに病気やケガで自覚症状がある方のうち「腰痛」を感じる人が最も多いとの結果が出ていました。
そんな多くの方が悩む腰痛ですが、適切なエクササイズで痛みが改善する可能性があるのです!今回は、腰が痛いときに役立つ筋トレメニューとストレッチ、トレーニングがNGのケースなどについて解説します。ぜひ最後までご覧ください! 

参考:「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)

 


【この記事以外の、おすすめ記事】

記事はこちら
https://drtraining.jp/media/29384/


 

腰痛の約9割は原因の特定が難しい!?

トレーニングやストレッチなどの解説の前に「腰痛」についてお話します。

腰痛は大きく分けると2つに分かれます。

①特異的腰痛 ※腰痛全体の約15%
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、原因が特定できるもの

②非特異的腰痛 ※腰痛全体の約85%
原因が特定しきれないもの 

①に関しては病院で原因を診断されてから専門の施設でのリハビリを推奨されるため、この記事をご覧の方にはふさわしくないと勝手ながら判断させていただきます。

そのため、今回は②についてお話していきます。

非特異的腰痛は原因が特定しきれない腰痛ですが、原因が特定しきれない=改善できないではありません。非特異的腰痛の場合、まずは筋肉や筋膜へのアプローチが妥当だと考えられます。

なお、下記に当てはまる方は非特異的腰痛になりやすいので注意です。

・長時間同じ姿勢でいることが多い
※デスクワーク、運転、家事など
・姿勢が悪いとわれることが多い
・妊娠中、産後

 

腰痛にかかわる筋肉

ここでは、腰痛の主な原因となる筋肉について解説します。

 

内外腹斜筋(ないがいふくしゃきん)

腹斜筋とは、脇腹部分の筋肉です。体の深い部分にあるものは内腹斜筋、表面にあるものは外腹斜筋と呼ばれます。
体幹を固定したり体をひねったりするときに重要な筋肉で、この筋肉が弱ると腰が安定しにくくなり腰痛になることがあります。

 

腰方形筋(ようほうけいきん)

腰方形筋とは、背中側の一番深いところにある筋肉です。肋骨の下部から腰骨、骨盤まであり、左右から腰椎を支えて安定した姿勢を維持する役割があります。
腰方形筋が弱ると正しい姿勢を保ちにくくなり、左右どちらかの腰が痛くなったり体をひねると腰に痛みを感じたりするようになります。

 

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)

脊柱起立筋とは、頭部から骨盤まである大きく長い筋肉です。背骨に沿ってついており、左右から背骨を支えて正しい姿勢を保つ役割があります。
脊柱起立筋が弱ると背骨のカーブが強くなって腰に負担がかかりやすくなり、腰痛を引き起こす場合があります。

 

広背筋(こうはいきん)

広背筋とは、背中の真ん中から上腕骨(脇の下あたり)、骨盤までを覆う筋肉です。肩甲骨や肩関節の可動に関わっており、猫背や巻き肩を防ぐ役割もあります。
非常に大きな筋肉で身体への影響が大きく、広背筋が弱ると姿勢が崩れ、腰痛や背中の痛みなどの症状が出やすくなります。

 

臀筋群(でんきんぐん)

臀筋群とは、お尻の筋肉の総称です。大臀筋・中臀筋・小臀筋の3種類の筋肉で構成されています。

・大臀筋:骨盤から大腿骨までつながる、一番外側にある筋肉
・中臀筋:お尻の上部にある小さい筋肉
・小臀筋:お尻の1番奥深い場所にある筋肉

臀筋群には腰や骨盤を支え、歩いたり足を上げたり、下半身のバランスを保ったりする役割があります。臀筋群が弱ると下半身のバランスが崩れて腰椎に負担がかかり、前傾姿勢になったり坐骨神経痛になったりすることがあります。

 

腰の痛みが気になる人に知って欲しい「胸腰筋膜」  

胸腰筋膜は写真の◯部分の筋膜のことです。

写真を見て何か気づくことは無いでしょうか??



「あれ、腰痛で痛くなる所では・・」

胸腰筋膜は主に、お尻の「大臀筋」と背中の「広背筋」という筋肉に繋がりを持ち、背中や腰周りが丸まらないように支える役割があります。 

 

大臀筋と広背筋が緊張したり、硬い場合はどうなる?

大臀筋や広背筋が緊張したり、硬い場合は写真のようになることが考えられます。

対角線の大臀筋と広背筋が胸腰筋膜を引っ張り合い、【腰回りが緊張】してしまいます。
このような状態になると、腰に痛みを感じやすくなります。
上記のような点から、胸腰筋膜のテンション(張り感)を適切に保つために大臀筋や広背筋のエクササイズが腰の痛みの改善には必要と考えます。 

 

腰が痛いときのストレッチ、筋トレメニュー

筋肉疲労や筋力低下によって、腰が痛くなったり、腰がちょっと疲れたりしたときは、ストレッチをすると痛みや疲労が緩和される場合があります。
腰が痛いときのおすすめのストレッチを紹介しますので、ぜひ試してみてください!

 

内外腹斜筋のストレッチ

内外腹斜筋はひねりを加えると気持ち良く伸ばせます。

【手順】

1.椅子に座り背筋を伸ばす
2.左手を腰にあて、右手を左の膝に当てる
3.膝に当てた手を脛に向かって滑らせながら、上半身をひねる
4.顔を天井に向け、気持ち良く伸びているところで深呼吸しながら15秒キープする
5.ゆっくりと体を戻し、反対側でも同じ動きを繰り返す

上半身は無理のない範囲でひねり、痛みを感じたときはストレッチを中断してください。

 

腰方形筋のストレッチ

腰方形筋を緩めて痛みや疲労を軽減するには、側屈が効果的です。

【手順】

1.床にあぐらで座り、左右の坐骨に同じくらい体重を乗せる
2.息を吸いながら左手を真っ直ぐ上に上げる
3.息を吐きながら上げた手とは反対方向に体を倒して5~10呼吸、姿勢をキープする
4.息を吐きながら上半身を前に倒して5~10呼吸、姿勢をキープする
5.ゆっくり起き上がり、反対側でも同じ動きを繰り返す

体を傾ける角度は、無理なく心地良い範囲で調整しましょう。また呼吸の回数は目安なので、体調に応じて変更してください。

 

脊柱起立筋のストレッチ

背骨を軸にして体をひねると、脊柱起立筋がストレッチできます。

【手順】

1.椅子に座り背中を丸める
2.下半身はそのまま動かさず、上半身を斜めに捻る
3.深呼吸しながら20秒キープする
4.息を吐きながらゆっくりと正面に戻す
5.反対側でも同じ動きを繰り返す

下半身が動くと軸がブレるので、下半身がついていかないようにひねるのがポイントです。

 

1.大臀筋と広背筋の同時ストレッチ

①画像のような姿勢を取る

②ストレッチしているお尻とは逆の腕を前に伸ばす

画像のやり方ですと、左の大臀筋と右の広背筋がストレッチされるため胸腰筋膜を緩めるには効果的です!
左右30秒ずつ行いましょう!

 

2.キャット&カウ with呼吸 

1.写真のように四つん這いになる

2.背中を丸めながら息を吐く、1番丸まっている状態で腰や背中に空気を入れるように呼吸する

しっかりと背中・腰を丸めることで胸腰筋膜を緩めることが出来ます。
そこでさらに呼吸を行うことで空気が背中や腰側に入るのでよりストレッチをかけることにつながり、効果が高まります!
回数は5回ほど。

腰痛には「体幹トレーニング」というのが一般的なイメージになりつつありますが、僕はあまりおすすめしません。
体幹トレーニングでお馴染みの「プランク」は胸腰筋膜を緩めるのではなく、張らせる方に働くためデメリットとなると考えるからです。

下記の記事でプランクについてもお話ししています。

【プランク】効果は腹筋を鍛える以外の方が多い!?

 

腰痛予防におすすめの筋トレ

腰回りの筋肉が弱ると腰痛が出やすくなるので、ストレッチだけでなく筋トレも行いましょう。ここでは腰痛予防におすすめの筋トレを紹介しますので、できそうものからチャレンジしてみてください。

 

クランチ

クランチは腹筋を鍛えるトレーニングです。腹筋を鍛えると体幹が安定するため、腰痛の予防・改善効果が期待できます。

【手順】

1.床に仰向けで寝転がり、両足を上げて膝と股関節が90度になるように曲げる
2.頭の後ろで手を組み、おへそを覗くイメージで上半身をもち上げる
3.床につくギリギリまで上半身を下ろす
4.同じ動きを繰り返す

10回×3セットが目安です!

 

ドローイン

ドローインは腹部のインナーマッスルを鍛える呼吸法です。体幹が強化されて腰痛が軽減されるだけでなく、ウエスト周りや下腹部の引き締め効果も期待できます。

【手順】

1.床に仰向けで寝転がり、膝を立てて両手の平をお腹に当てる
2.口からゆっくりと息を吐きながらお腹をへこませていく
3.限界まで息を吐き切ったら、お腹がへこんだ状態を維持しつつ浅い呼吸を繰り返し10~30秒程度キープする
4.ゆっくりと息を吸い、お腹を元の状態に戻す
5.同じ動きを繰り返す

1日5分程度のトレーニングが目安です。立ったまま、座ったままでもできるので、スキマ時間でチャレンジしてみましょう!

 

ツイストクランチ

ツイストクランチは、腹直筋上部と腹斜筋を鍛えられるトレーニングです。上半身にひねりを加えるツイストクランチは、肩甲骨あたりまでをもち上げるだけのカールアップよりも高負荷なので、少しトレーニングに慣れてきた方に向いています。

【手順】

1.床に仰向けで寝転がり、両足を上げて膝と股関節が90度になるように曲げる
2.両手の平を後頭部に当てる
3.ひねりを加えながら上半身を起こし、右肘で左足の外側をタッチする
4.上半身を下ろし、次は左肘で右足の外側をタッチする

上記の流れを10回ほど繰り返しましょう。体をひねる上に負荷も高いので、無理のない範囲でゆっくりと行ってください。また、起き上がるときに呼吸を止めないようにしましょう。

 

スーパーマン

スーパーマンは、体幹強化に役立つトレーニングです。脊柱起立筋と大臀筋も鍛えられるため、腰が安定しやすくなります。

【手順】

1.床にうつ伏せになり、手の平を下向きにして両腕を頭の上に真っ直ぐ伸ばす
2.両手足を肩幅より少し広いくらいに開く
3.両腕と両脚をゆっくりと付け根からもち上げる
4.限界まで持ち上げたら3~5秒キープする
5.両手足をゆっくりと下ろす

30回×3セットが目安ですが、初めのうちは10回など少ない回数からでも問題ありません。慣れてきたら回数を増やしていきましょう。

 

スクワット

スクワットは大臀筋をはじめ、下半身全体を鍛えられるトレーニングです。下半身の筋力がアップすることで正しい姿勢を維持できるようになり、腰への負担が軽減されます。

【手順】

1.足を肩幅に開いて直立し、つま先はやや外側に向ける
2.足裏全体に体重が乗るよう意識しながらゆっくりとお尻を下げる
3.太ももが地面と平行になるまでお尻を下げたら2秒キープする
4.ゆっくりと立ち上がる

10回×3セットが目安です。慣れてきたら回数を増やしましょう。スクワットは誤ったフォームになりがちです。特に、腰痛がある方は、パーソナルジムでトレーナーの指導を受けことをおすすめします。

 

ヒップリフト

ヒップリフトは大臀筋や腰回り、太ももの筋肉を鍛えられるトレーニングです。脊柱起立筋にも効果があり、正しい姿勢の維持や腰の安定感アップに役立ちます。

【手順】

1.床に仰向けで寝転がり、膝を90度になるように曲げて立てる
2.肩・腹部・膝が一直線になる位置までゆっくりとお尻をもち上げ、3秒キープする
3.ゆっくりとお尻を下げる

20回×3セットが目安ですが、まずは10回など少ない回数から始めてもOKです!慣れてきたら回数を増やしましょう。

 

【注意】腰痛改善の筋トレをおすすめしない人

腰痛は腰回りの筋肉を鍛えると改善される場合がありますが、筋トレNGのケースもあります。無理をした結果、症状が悪化する可能性もあるので、どのような場合に筋トレをしてはいけないのかを知っておきましょう。
なお、Dr.トレーニングでは、通常のトレーニング以外にリハビリトレーニングにも対応しています。専門的な知識をもつトレーナーが医療機関と連携し、診断内容を考慮したトレーニングを実施しますので、体の痛みにお悩みの方はぜひご相談ください。
(※急性腰痛は対処が異なるため、まずは医療機関にご相談ください)

 

ぎっくり腰などで強い痛みが出ている人

ぎっくり腰になったばかりなど、急性腰痛症で強い痛みが出ているときのトレーニングはNGです。
患部の組織が損傷して炎症を起こしている状態なので、無理に動かすと症状が悪化する可能性があります。発症から2~3日は、患部を冷やしながら安静にすることが重要です。

ただし、痛みが落ち着いた後も動かずにいると筋肉が固まり、回復しにくくなる場合があるので、医師に相談した上で少しずつ体を動かしましょう。
適度な運動は急性腰痛症の予防にもつながりますので、どんな運動をすべきか悩んだら、ぜひトレーナーにご相談くださいね。

 

筋肉が過度に弱っている人

事故や病気で長く療養していたなどで筋肉がかなり弱っている場合も、いきなり筋トレから始めるのは避けましょう。弱った筋肉を急激に動かすと痛めてしまうおそれがあります。まずは歩行トレーニングなどのリハビリから始めましょう。

また、筋肉痛を感じているときも筋トレはNGです。筋トレ後の筋肉は、1~3日ほどかけてダメージを修復します。「筋肉痛がある=まだ修復しきれていない」ということです。
無理に動かすとケガをする可能性があるので、筋肉痛を感じている間はしっかり休んで回復に専念しましょう。

 

腰にかかわる疾患で腰痛を患っている人

脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの、腰にかかわる疾患を患っている場合も筋トレは避けましょう。誤った方法で筋トレした結果、患部に負担がかかって症状が悪化する可能性があるからです。
まずは医療機関を受診して、トレーニングをしても大丈夫かどうかを確認してみましょう。その上でプロのトレーナーから指導を受けて、正しい方法で筋トレするのがおすすめです。

 

腰痛の人が日常生活で気を付けること

Dr.トレーニングでは「一瞬ではなく、一生モノの身体づくり。」というミッションから、トレーニング中だけでなく、日常生活でのアドバイスも多く行なっております。
そうした中で腰痛の人に1番に気を付けていただきたいことがあります。

同じ姿勢で生活しない

世間でいう「良い姿勢」である背筋を伸ばした姿勢であっても、ずっと同じ姿勢でいれば同じ筋肉や筋膜に負担がかかります。
どんなに良いトレーニングやストレッチをしても、その後数時間、同じ姿勢でいるのであれば腰痛になるでしょう。

意識すること
・デスクワークの休憩中には立ち上がる、ストレッチをする
・椅子とスタンディングデスクを交互に使い分ける
・姿勢を変えることを心がける
腰のために、上記のようなことを意識して生活をしてみてください。

 

しっかり入浴をする

シャワーで済ませる方も多いかと思いますが、腰痛があるときはしっかり湯船に浸かるのがおすすめです。
ぬるめのお湯に15~20分ほど浸かると、筋肉の緊張がほぐれて血行が促進され、腰の痛みが軽くなる場合があります。
なお、熱いお湯に浸かると心身を活性化させる交感神経が優位になり、寝つきが悪くなってしまうので注意が必要です。

 

腰に負担がかからない寝方をする

腰痛が気になるときは、腰に負担がかからない体勢で寝ることも重要です。仰向けやうつ伏せで寝ると腰椎や骨盤に負担がかかり、腰痛が悪化することがあります。
腰への負担を軽減するなら横向きで寝るのが理想です。ただし、痛みを感じている方を下側にして寝ると血行が悪くなり、痛みが強くなる可能性があるので注意してください。

 

まとめ

筋肉や筋膜が原因で起こる腰痛は、適切な筋トレやストレッチで改善する可能性があります。ただし、誤った方法のトレーニングでは症状が悪化するおそれがあるので、プロのトレーナーから正しい方法を指導してもらうのがおすすめです。
腰痛予防・改善のためにパーソナルジムに通うなら、ぜひ「Dr.トレーニング」をご利用ください。
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身体に痛みがあるときのリハビリも相談可能です。無料カウンセリング・体験トレーニングをご用意していますので、下記よりお問い合わせください。

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【著者情報】
東田 雄輔
【資格】
・NSCA-CPT (NSCA認定パーソナルトレーナー)
・JATI-ATI (JATI認定トレーニング指導者)
・NASM-PES (全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト)
・NASM-GFS (全米スポーツ医学アカデミー認定ゴルフフィットネススペシャリスト)
・IASTM SMART TOOLs

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