2024.10.10
前屈ができないのはなぜ?鍛えるべき筋肉やおすすめのストレッチ3種
目次
こんにちは。
ドクタートレーニング パーソナルトレーナーの東田です。
今回は「前屈」についてのお話をしていきます。
身体が硬い方にとって、「前屈ができること」は憧れることの一つではないでしょうか?
かく言う私も学生時代、体力測定の長座体前屈では5,6点ほどしか出来ず(MAXは10点)悔しい思いと、身体が柔らかいことへの憧れはありました。
今ではパーソナルトレーナーという職業柄、このように床にべったりと前屈が出来るようになっています。
なぜこのように前屈ができるようになったのか……それは前屈ができない原因を理解し、ある部位のストレッチに励んだことです。そこで今回は、下記の内容について解説します。
・前屈ができない原因とは
・前屈ができるようになるためのおすすめストレッチ
・前屈ができることで得られるメリット
ぜひ最後までご覧ください。
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https://drtraining.jp/media/29384/
「前屈」に必要な要素を分解
まず、前屈の動きを要素分解して説明します。
要素分解する理由は、前屈ができない原因やこの後紹介するストレッチが必要な理由を理解してもらうためです。
前屈という動作を分解すると…
股関節屈曲(上半身を前に倒す)+ 脊柱屈曲(背中を丸める)となります。
この2つの動作が主となって前屈が完成するのです。
ズバリ!
上記の「股関節屈曲」と「脊柱屈曲」が出来ない人=前屈が出来ない人
となります。
専門的にはなりますが、筋肉には「相反性神経支配」という働きがあります。こちらに関しては割愛しますが、この相反性神経支配によって、下記のように前屈に必要な筋肉がわかるのです。
前屈のために…
・股関節屈曲を出来るようにするためには「股関節伸展」に関与する筋肉の柔軟性が必要
・脊柱屈曲を出来るようにするためには「脊柱伸展」に関与する筋肉の柔軟性が必要
です。
前屈できないのは、どこが硬い?
前屈ができない方にとって問題となるのは、上記で紹介したように「股関節伸展の筋肉」と「脊柱伸展の筋肉」です。
股関節伸展の主な筋肉=ハムストリングス、大臀筋
脊柱伸展の筋肉=脊柱起立筋
ハムストリングス
ハムストリングスは、もも裏の筋肉(半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋)の総称であり、膝を曲げる動きや股関節を伸ばす(後ろに反らす)動きに関わる筋肉です。筋肉が硬くなると、太ももの裏が伸びにくいため、前屈しにくくなります。
また、ハムストリングスは骨盤の傾きにも関与しているため、柔軟性の低下は姿勢の悪化につながり、腰痛を引き起こすおそれもあります。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は、首から腰、骨盤といった背骨に沿って位置しており、姿勢の維持に大きく関与している筋肉です。
脊柱起立筋が硬くなると、背中が丸くなりやすく、骨盤や背骨の動きを制限してしまいます。その結果、もも裏やお尻の硬さにつながり、前屈がしにくくなるのです。
大臀筋
大臀筋は、お尻の表面に位置する大きな筋肉です。股関節を後ろに伸ばす作用があるほか、立つ・歩くなどの基本動作や姿勢の維持において重要な役割を担っています。
大臀筋が硬くなると、股関節は曲がりにくくなるため、前屈がうまくできなくなります。
デスクワークや休日の過ごし方などで普段座っている時間が長い方は、体重の負荷がお尻にかかり、筋肉が硬くなりがちです。
前屈のためのストレッチ3選
前屈ができるためには、前述した筋肉をストレッチし、柔軟性を高めることが重要です。ここでは、ハムストリングス・脊柱起立筋・大臀筋それぞれおすすめのストレッチを紹介します。
時間のある際にぜひひとつずつ取り組んでみてください。
ハムストリングスのストレッチ
「ジャックナイフ」という種目を紹介します。
1.しゃがんだ状態で、足首を持つ
2.足首から手を離さないように膝を伸ばして、お尻を上に突き上げる。
3. 1,2を繰り返す
脊柱起立筋のストレッチ
「ブレス チャイルドポジション」という種目を紹介します。
1. 正座の状態から身体を前に倒して、丸める
※この時、肘と膝をつける
2. 写真の姿勢のまま深呼吸を繰り返す
深呼吸をした際に、背中側に空気が入り、脊柱起立筋がストレッチされます。
大臀筋のストレッチ
1.仰向けになる
2.両膝を立てて、右足を左膝の上に乗せる
3.両手で左もも裏を掴んだ状態から、左足をお腹の方に引き寄せる
4.そのまま30秒間キープする
5.反対側も同様に行う
ストレッチをする際は、あごが上がらないようにすることが大切です。また、腰が過度に丸まらないように気を付けましょう。
前屈ができるとたくさんのメリットがある!
前屈ができない方のなかには、前屈によって得られるメリットが今ひとつわからない方も多いのではないでしょうか?ここでは、前屈ができることでどんなメリットがあるのか紹介します。
腰痛の改善
前屈ができるようになると、背中や腰、お尻といった身体の背面を主にストレッチできます。
腰やお尻周りが柔らかくなると、骨盤や背骨などの動きが改善され、慢性的な腰痛に悩んでいる方も症状の軽減が期待できます。
ボディメイク
前屈はヒップアップやくびれなどのボディメイク効果も期待できるので、女性の方には特に嬉しいメリットではないでしょうか。
前屈によってもも裏の柔軟性が高まると、ヒップアップにつながります。
また、前屈は背中周り(主に脊柱起立筋)を伸ばす効果も期待できるため、背中周りの緊張が緩むと、くびれが作りやすくなります。
むくみや冷えの改善
筋肉の硬さは、血流が悪化したり老廃物が蓄積されたりする原因のひとつです。
前屈によって脚や腰回りがストレッチされると、血流が改善され、基礎代謝の向上や老廃物の排出が促進されやすくなります。結果として、脚のむくみや冷え改善効果も見込めます。
姿勢の改善
腰や脚周りが硬くなると、身体を正しい位置に保つ筋肉がうまく働かず、猫背や反り腰といった不良姿勢を引き起こす原因になりかねません。
前屈によって身体の動きが拡がり筋肉のバランスが整うことで、身体を正しく支えられるようになり、美しい姿勢を身につけやすくなります。
前屈ができるまでの期間
その方のお身体の状態によって変わってしまいますが、多くの方は「1ヶ月もあれば床に手が届く」ぐらいまではできるようになります!
実際、私が担当をさせていただいた方で当初は膝の少し下までしか前屈が出来なかった方が1ヶ月で床にタッチできるようになりました。
イメージですが、これぐらいの変化率です。
前屈ができるようになったらトレーニングを
前屈ができなくても、トレーニングを行っている方も多いかと思います。しかし、私としてはトレーニングを安全に行う前提として、「前屈」ができることの優先順位は非常に高いです。
前屈ができることで…「スクワット」等の下半身を鍛える種目が正しいフォームで行いやすくなるためです。
そこでですが、
前屈ができるようになったらトレーニングを行っていただくことを推奨します。
腰痛に関しての文献情報
スクワットやブリッジなどのお尻の筋肉に対するトレーニングが股関節や骨盤の姿勢不良を改善させ、腰痛の寛解に寄与する可能性がある。
股関節周囲筋の筋トレは腰痛(非特異的腰痛)の改善効果があることを示した系統的レビュー論文
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37755844/
要は、【腰痛予防にはお尻の筋肉のトレーニングが有効】というものです。
Googleで「前屈」について検索すると関連として「腰痛」という言葉も多く出ていたので、文献情報とともに紹介しました!
まとめ
日頃からストレッチを行い、身体を柔らかくすると、痛み軽減や姿勢改善などさまざまな効果が期待できます。特に今回紹介した前屈ができるようになると、腰痛や猫背の改善、そのほかにも、むくみ改善やボディメイク効果など多くのメリットにつながります。
前屈ができずに悩まれている方は、原因をしっかりと理解した上で、改善に取り組んでいきましょう。
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【エクササイズ等のモデル】
心斎橋店 古家トレーナー
https://drtraining.jp/cast/furuie/
【著者情報】
東田 雄輔
– 資格
・NSCA-CPT(全米エクササイズ&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
・JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者)
・NASM-PES(全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト)
・NASM-GFS (全米スポーツ医学アカデミー認定ゴルフフィットネススペシャリスト)
・IASTM SMART TOOLs
・PRI Postural Respiration
・PHI pilates act