2024.06.09

筋トレ後にお酒を飲むのは愚行? お酒との上手な付き合い方。

「筋トレは頑張りたいけど、お酒はやめたくない」
上記は多くの方の悩みでしょう。

どうしても筋トレ後にお酒を飲みたいときは、摂取カロリーや脱水症状の防止などに配慮して飲み方を工夫するのが大切です。この記事では、筋トレ後の飲酒が体に及ぼす影響や、工夫してお酒を飲むポイントを紹介します。筋トレの効果を維持したい人や、筋トレ後にお酒を飲んでいいか不安な人はぜひご覧ください。

 


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筋トレ後にお酒を飲むとどうなる? (4つのデメリット)

筋トレ後というのは、血流が良い状態となっています。
その観点から筋トレ後のお酒のデメリットについて下記に記しています。

1.アルコールの吸収が早くなる

血流が良いと、血管が広がり、血液の流れが速くなります。そのため、アルコールが胃腸から吸収される速度も早くなり、酔いが早く回ったり、顔が赤くなりやすくなったりします。

2.悪酔いしやすい

アルコールが体内に吸収されると、肝臓で分解されます。しかし、血流が良いと、肝臓にアルコールが運ばれる速度も早くなり、肝臓が処理しきれなくなることがあります。 その結果、アセトアルデヒドという有害な物質が体内に蓄積しやすくなり、悪酔いの原因となります。

3.脱水症状になりやすい

アルコールには利尿作用があり、尿量が増えます。血流が良いと、汗をかきやすくなるため、さらに脱水症状になりやすくなります。 脱水症状になると、頭痛、めまい、倦怠感などの症状が現れます。 

4.低血糖になりやすい

アルコールは血糖値を下げる作用があります。血流が良いと、血糖値が急激に下がり、低血糖になりやすくなります。 低血糖になると、意識が朦朧としたり、けいれんを起こしたりすることがあります。

 

お酒と、身体づくりや筋トレの相性について

結論ですが、身体づくりや筋トレにおいてお酒は、飲むよりは飲まない方が良いです。
その理由について下記に記述しております。

筋肉、筋力がつきにくくなる

アルコールが筋タンパク質合成を阻害する主なメカニズムは次の3つです。 

□ mTORシグナル伝達パスの抑制: 筋肥大に重要な役割を果たすmTORシグナル伝達パスの活性を低下させます。
□ 成長ホルモン (GH) の分泌抑制: GHは筋肉の成長と修復を促進するホルモンです。アルコールはGHの分泌を抑制し、筋タンパク質合成を阻害します。
□ テストステロン (TS) の分泌抑制: TSは筋肉増強に不可欠な男性ホルモンです。アルコールはTSの分泌を抑制し、筋タンパク質合成を阻害します。

上記の3つは筋肉をつける(筋肥大)ことにおいて重要ですし、テストステロンにおいては筋力にも影響します。筋肉に対してアルコールを飲むことは百害あって一利なしとも言えるでしょう。

睡眠の質を低下させる恐れがある

一般的に、寝る前にアルコールを飲むと、寝つきは良くなるものの、睡眠の質は低下すると言われています。
以下、アルコールと睡眠の関係性について詳しく説明します。

1.寝つきへの影響
アルコールには、脳の興奮を抑制する作用があります。そのため、寝る前に飲むと、リラックスして寝つきが良くなる効果があります。しかし、この効果は一時的なものです。

2. 睡眠の質への影響
アルコールが体内で代謝されると、アセトアルデヒドという物質に分解されます。アセトアルデヒドは、睡眠を浅くしたり、夜中に目が覚めやすくなったりする原因となります。また、睡眠時無呼吸症候群を悪化させる可能性もあります。

3. 睡眠時間への影響
アルコールを飲むと、深い眠りにつく時間が長くなり、睡眠時間が短くなる傾向があります。

栄養吸収の妨げ(特に肝臓)

肝臓は、体内で摂取されたアルコールの約90%を代謝します。
肝臓は、筋肥大に関わる様々な役割を担っており、その機能と筋肥大の関係性は近年注目されています。 

1.成長ホルモン(GH)の分泌促進
筋肥大には、成長ホルモン(GH)が重要な役割を果たします。
GHは、筋肉の合成を促進し、筋肥大を促すホルモンです。 肝臓は、GHの分泌を促進するIGF-1というホルモンの生成に関与しています。筋トレなどの運動を行うと、肝臓からIGF-1が分泌され、筋肉の成長を促進します。 

2.タンパク質代謝
筋肥大には、タンパク質の摂取と代謝が不可欠です。タンパク質は、筋肉の構成要素であり、筋トレなどで筋肉が損傷を受けた際に、修復と成長を促進します。 肝臓は、タンパク質の消化吸収を助ける胆汁酸の生成や、老廃物となったタンパク質を分解する尿素回路に関与しています。

3.糖質・脂質代謝
筋トレなどの運動では、エネルギー源として糖質や脂質が利用されます。 肝臓は、血糖値を調節する役割や、脂肪の分解と合成に関与する役割を担っています。これらの機能が適切に働かないと、筋肥大に必要なエネルギーが不足したり、脂肪が蓄積しやすくなったりします。

 

お酒を飲んでからの筋トレはNG?

お酒を飲んでからの筋トレについて下記をご覧ください。

脱水症状に陥りやすい
アルコールには利尿作用があり、尿量が増えます。アルコールの利尿作用+筋トレでの発汗により脱水症状になりやすくなるので注意です。

・怪我や効率の悪い筋トレになる可能性も
アルコールは、脳内の神経伝達物質であるGABAの作用を強めることで、中枢神経系全体を抑制する作用があります。中枢神経は感覚や運動の指令、血圧や心拍数などをコントロールしているため、抑制をされると安全で効果の高い筋トレは難しくなるので注意です。

・低血糖になりやすい
アルコールは血糖値を下げる作用があります。筋トレは基本的に血液中の糖(血糖)をエネルギーとして使うのでアルコールを飲んでの低血糖の状態には筋トレは向きません。

 

筋トレと飲酒の両立で注意すべきポイントは?

「筋トレは頑張りたいけど、飲酒はやめたくない」という方のために3つのポイントを挙げています。

飲む量を控える

厚生労働省が推進する「健康日本21」によると、節度ある適度な飲酒量は、1日平均純アルコール量で約20g程度であるとされています。
純アルコール量とは、お酒の種類や度数によって異なるアルコールの量を、すべて同じ濃度(アルコール度数100%)のお酒に換算した量のことです。

例は下記です。
・ビール(500ml):約13g
・日本酒(1合):約18g
・ウイスキー(ダブル):約19g
・焼酎(おちょこ):約9g

水を多めに飲む

アルコールの代謝過程において、水分は以下のような役割を果たします。

・酵素の働きを助ける:ADHやALDHなどの酵素は、水が存在することで適切に機能します。
・老廃物の排泄を促進する:アセトアルデヒドや酢酸などの老廃物は、尿や汗を通して体外に排出されます。水分が不足すると、老廃物の排泄が滞り、二日酔いなどの症状を引き起こす可能性があります。

トレーニング日と、翌日は避ける

筋トレ後の筋タンパク質合成(MPS: Muscle Protein Synthesis)は、運動後数時間から数日間にわたって増加します。具体的には、以下のようなタイムフレームでMPSの増加が観察されています。

– 筋トレ後のMPSの時間経過

【最初の数時間】
筋トレ直後からMPSは急激に増加し、1-2時間以内にピークに達します。この時期は特に栄養摂取が重要で、特に高品質のタンパク質と適度な炭水化物の摂取が推奨されます。

【24時間以内】
筋トレ後の24時間は、MPSが通常のレベルよりも高い状態が続きます。この期間は、回復と成長のために十分な栄養を摂取することが重要です。

【48時間以内】
MPSの増加は通常48時間以内にピークに達し、その後徐々に減少します。ただし、筋トレの強度や種類、個々のトレーニング経験により、この期間は変動します。

 

お酒の種類は結局何がいい?(おまけ)

今回のような記事では蒸留酒がおすすめとされていることが多いかと思います。
確かにダイエットであれば糖質量の少なさから蒸留酒でのハイボールをおすすめします。

ただ、今回は筋トレに対してですのでお酒という時点でどれも変わらないかと考えております。
蒸留酒は度数が高い場合が多いのでロックやストレートで飲んだら、次の日に二日酔いなどになれば筋トレには悪影響です。

種類というよりは上記で紹介した「飲む量」に目を向けていただけたらと思っております。

 

理想の身体に対して量を調整して、お酒と上手に付き合おう

「筋トレにおいて、お酒やアルコールは推奨されるものではない」というのがご理解いただけたかと思います。
ただ、お酒が好きな方は理想のお身体に合わせて我慢しすぎず付き合っていただけたらと思っています。

男性で、体脂肪率が10%前後を目指すなら週に2回程度飲んでいても、理想を叶えられるでしょう。
女性で、体脂肪率が20%前後を目指すなら週に2回程度飲んでいても、理想を叶えられるでしょう。

その他の要素(筋トレの頻度、有酸素運動の頻度、食事等)でいくらでも調節はできます。
ただ、飲まない方が理想のお身体には近づきやすいという言葉だけは最後に残させていただきます。

 

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※禁酒や糖質制限は基本的に実施しません。

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【著者情報】
東田 雄輔
– 資格
・NSCA-CPT(全米エクササイズ&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
・JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者)
・NASM-PES(全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト)
・NASM-GFS (全米スポーツ医学アカデミー認定ゴルフフィットネススペシャリスト)
・IASTM SMART TOOLs
・PRI Postural Respiration 修了
・PRI Pelvis Restoration 修了
・PHI pilates act

https://drtraining.jp/cast/higashida1/

 

【参考】

厚生労働省「健康日本21」https://www.mhlw.go.jp/english/org/policy/p10-11.html

Phillips, S. M. et al. (1997). “Mixed muscle protein synthesis and breakdown after resistance exercise in humans.” American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism, 273(1), E99-E107.

Tipton, K. D., & Wolfe, R. R. (2001). “Exercise, protein metabolism, and muscle growth.” International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism, 11(1), 109-132.

Burd, N. A., et al. (2012). “Exercise training and protein metabolism: influences of contraction, protein intake, and sex-based differences.” Journal of Applied Physiology, 112(6), 1023-1032

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