2025.02.25
マラソン選手に必要なトレーニングは?
目次
こんにちは!
Dr.トレーニングスクール東京校講師の島田です。
今回は自分が行なっていたマラソン競技についてパフォーマンスを
高めるトレーニング法を紹介していきます。
先ずはマラソンというスポーツを解説していきます
マラソンの定義
陸上競技の長距離種目のひとつで。42.195kmの公道コースを使った競技です。
フィジカルとメンタルの両面が必要で選手は長時間走り続けるために十分な体力と筋力、筋持久力が必要です。
特に他の競技と違ことは競技時間が長く、心肺機能の能力が競技結果に反映される点です。
ですのでトレーナーとしてマラソンのエネルギーシステムを理解したり、トレーニングやリカバリーの知識を知っておくことは重要です。
マラソンに必要な生理学
糖やグリコーゲンを消費してエネルギーを作って身体を動かす有酸素系のエネルギーシステムを使います。
そこで必要なのは酸素と糖質なのでいかに酸素を肺に通りこむ能力や全身に行き渡らせる心臓や血管の能力も必要です。
マラソンは長時間の運動であり、糖質がエネルギー源として重要です。
運動中に体内の糖質が枯渇すると疲労や低血糖症状が起こります。
ですのでマラソン前には、糖質を十分に補給することが重要です。
心肺機能の能力を高めるために必要なこととしては以下の要素が必要です。
①肺の能力
息を吸った際に酸素を肺から取り込める能力や全身に酸素を送り届けられる量
②血液の能力
血液に中にあるヘモグロビンが筋肉に酸素を渡す能力
③血管の能力
毛細血管の数 血管が多いほど酸素を送り込みやすい
④心臓の能力(心拍出量)
1回の心臓の拍動で血液を全身に送り込める能力が高い
ランニングのトレーニングでいうとインターバル走やLSD(ロングスローディスタンス)などで心臓や血管の能力が高まりやすくなります。
選手やお客様がどんな練習をしていてどの能力を伸ばしたいかなども把握した上でメニューの確認などが出来るとトレーナーの信頼感も上がります。
そして次にトレーナー のメインアプローチであるトレーニングやリカバーをご紹介します。
マラソンやランニングで必要なことは心臓や肺の能力ということを先程お伝えしましたが身体の構造ももちろん必要です。
マラソンに必要な要素
・下半身の筋力、筋持久力
・体幹の安定性
・下半身と上半身の捻転差
・アームスイング(腕の振り)
・足のバランス能力
・下半身のプライオメトリック
などなどが挙げられます
他にも細い要素など含めればもっとあります。
マラソンにオススメのトレーニング方法
□スクワット
先ずは下半身の筋力、筋肉量アップのためにストレングストレーニングを行います。
長距離ランナーは筋肉量をつけすぎると体重が増えて走れなくなると思っている方も多いと思います。
筋力トレーニングが持久力向上に関わるメリットとしては
運動効率の向上(長時間&短時間競技)
無酸素性能力の向上( 短時間競技)
レース中の疲労を軽減または遅延させる
最大スピードの向上(競技レース終盤におけるスプリント)など様々あります。
スクワットで先ずはベースの下半身を鍛えましょう。
目安の回数や重さ
15回出来る重さで×3セット
□ランジツイスト
https://youtube.com/shorts/anXy1SZ7Azc?feature=share
下半身と上半身の捻転差を出しやすいランニングや歩行の移動動作では下半身と上半身の捻転差が必要です。
捻転差が出せないと前方への推進力が生まれない
足の1歩のストライドも小さくなってしまうため、パフォーマンスにも影響します。
ただ捻転差で必要なのは肋骨と骨盤の間の腹部はなるべく安定させたり、腹圧が自動に入ることが重要です。
ランジでの注意点としては身体を捻る際に膝が内側に入ったり骨盤が横にズレないことが理想です。
目安の回数や重さ
片側10回×3セット 捻れるようにしていきましょう。
□ドロップスクワット
https://youtube.com/shorts/rV_CVGaNHfg?feature=share
最後はジャンプ系トレーニングのご紹介です。
ランニングでは1分間に180~200ほど地面に足が接地するほど脚の衝撃が強いです。
また1歩で体重の5~10倍の衝撃も掛かります。
ですので着地が上手くない選手は膝や足首の怪我が多いです。
ジャンプトレーニングでも先ずは着地を練習することで効率的に床の反力を得やすくなります。
ドロップスクワットの注意点は膝とつま先が一直線で膝が内側に入らないようにしていきます。
目安の回数
片脚6回ずつ1日2セット取り組んでみましょう。
最後はマラソンのリカバリーアプローチ紹介
マラソンの練習リカバリーとしてはストレッチや筋膜リリースなどがおすすめです。
とくに長時間同じ姿勢、フォームで競技を行うため筋膜の癒着や粘性低下も起きやすく、身体の可動域が低下しやすいです。
とくにマラソン練習で硬くなりやすい代表的な筋肉が下記になります。
1.大腿筋膜張筋
2.殿筋群
3.内転筋群
4.大腿四頭筋
5.広背筋
などがあります。
ストレッチポールでのリリースケアをご紹介していきます。
1.大腿筋膜張筋

骨盤下から太ももの横を膝の上まで全体的に当てていく
2.殿筋群
足を外旋位で組んで圧刺激
3.内転筋群
股関節の付け根の方から膝上まで内転筋群はついているので全体的に当たるようにリリース
4.大腿四頭筋
肘で身体を支えて股関節の付け根から膝上までリリース
5.広背筋
脇にストレッチポールを当ててゴロゴロ転がす。
自分の身体が半分天井に向くように当てると効果的
まとめ
という形で今回はマラソンの競技特性からトレーニング方法、リカバリーケアと紹介させていただきました。
講師を務めているDr.トレーニングスクールではこうしたアスリートのパフォーマンスアップのトレーニング法やケアコンディショニングの知識も学ぶことが出来ます。
一般のお客様もランニングやゴルフなどスポーツを行っている方も多いようにトレーナーとしてスポーツのパフォーマンスアップの理論や技術を提供出来るような能力も必要です。
是非一緒に学びを深められることを楽しみにしております。
プロフィール
島田健祐
・帝京大学 医療技術学部スポーツ医療学科
・Dr.トレーニング恵比寿店 店長
・Dr.トレーニング スーパーバイザー
【資格】
CSCS(NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
DNSパート1(Dynamic Neuromuscular Stabilization)
Pilates Synthesis マットコース
【監修者】
株式会社Dr.トレーニング 代表取締役
山口 元紀
「経歴」
Boston Red Sox
Tampa Bay Rays
KC Royals
「学歴」
日本大学文理学部体育学科(学士号)
Texas Tech University Health Sciences Center
Athletic Training(修士号)
「保有資格」
BOC-ATC (全米アスレティックトレーナーズ協会認定トレーナー)
NKT(Neuro Kinetic Therapy)
SFMA(Selective Functional Movement Assessment)
SMBA (Spinal Movement and Breathing Assessment)