スロートレーニングとは?特徴と注意点、メリット・デメリットについて パーソナルジム・パーソナルトレーニングならDr.トレーニング

スロートレーニングとは?特徴と注意点、メリット・デメリットについて

 

スロートレーニングとはどのようなものか、その特徴や行う上での注意点、そしてメリット・デメリットについて解説します。
筋力アップを目指す初心者から中級者の方にとって、スロートレーニングは効果的な選択肢の一つとなる可能性があります。この記事を通して、スロートレーニングの全体像を理解し、実践に役立ててくださいね。

 

 

スロートレーニングについて

スロートレーニングについてまずは理解していきましょう。
このトレーニング方法は、その名の通りゆっくりとした動作で筋肉にアプローチすることで、従来のトレーニングとは異なるメリットをもたらします。ここでは、スロートレーニングの基本的な定義と、その主な特徴について詳しく掘り下げていきます。

 

スロートレーニングとは

スロートレーニングとは、筋肉に常に力を入れた状態を維持しながら、ゆっくりとした動作で行う筋力トレーニングの方法です。
この「筋発揮張力維持法」とも呼ばれる方法は、筋肉が長時間にわたって緊張状態を保つことを目的としています。これにより、比較的軽い負荷であっても、筋力アップや筋肥大の効果が期待できるとされています。
具体的には、一つの動作に3秒から5秒程度の時間をかけて行います。

 

スロートレーニングの主な特徴

スロートレーニングの主な特徴は、動作をゆっくりと行うことにあります。
このゆっくりとした動きにより、筋肉は継続的に緊張した状態が保たれます。通常の速い動作で行うトレーニングとは異なり、反動を使わずに筋肉の力だけで動作を行うため、ターゲットとなる筋肉への刺激を集中させやすいという特徴があります。また、軽い負荷でも高い効果が期待できる点も、スロートレーニングの大きな特徴と言えるでしょう。

 

 

スロートレーニングの利点

スロートレーニングは、その実施方法から様々なメリットが期待できます。ここでは、スロートレーニングがもたらす具体的な利点について詳しく見ていきましょう。これらのメリットは、特に運動初心者や高齢者、あるいは特定の目的を持つ人々にとって、スロートレーニングが有効な選択肢となる理由を明らかにします。

 

少ない負荷で大きな効果が得られる

スロートレーニングでは、動作をゆっくり行うことで筋肉に持続的な負荷をかけることが可能です。筋肉を常に緊張させた状態に保つと血流が制限され、筋肉内が低酸素状態になります。この低酸素状態が筋肥大を促す刺激となると考えられており、重い重量を扱わなくても高い効果が期待できる理由です。

 

関節や筋肉への負担軽減

スロートレーニングのゆっくりとした動作は、関節や筋肉にかかる衝撃を軽減します。急激な動きや重い負荷を扱わないため、通常のトレーニングに比べて怪我のリスクが低くなります。この点は、トレーニング初心者や関節に不安がある方、特に高齢者にとって大きなメリットと言えます。また、理学療法の一環として取り入れられることもあり、安全に筋肉へアプローチできる方法として注目されています。

 

血圧上昇の抑制

スロートレーニングは、急激な動作や高負荷を伴わないため、トレーニング中の急激な血圧上昇を抑える効果が期待できます。
通常の筋力トレーニングでは、瞬発的な力みによって血圧が大きく変動することがありますが、スロートレーニングでは筋肉に一定の力を込めつつも、動作が滑らかなため血圧の変動を穏やかに保ちやすい傾向があります。ただし、トレーニング中に息を止めてしまうと血圧が上昇する可能性があるため、適切な呼吸を意識することが重要です。

 

正しいフォーム習得のしやすい

スロートレーニングは動作をゆっくり行うため、一つ一つの動きを意識しやすく、正しいフォームを習得しやすいというメリットがあります。これにより、ターゲットとなる筋肉にしっかりと刺激を与えることができ、トレーニング効果の向上につながります。また、フォームが崩れることによる怪我のリスクも低減できるため、安全にトレーニングを進める上で有効な方法と言えるでしょう。

 

 

スロートレーニングの欠点

スロートレーニングには多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。これらの欠点を理解しておくことで、スロートレーニングが自身の目的やライフスタイルに適しているかどうかを判断する際の参考になります。ここでは、スロートレーニングの主なデメリットについて掘り下げていきます。

 

効果を実感するまでの期間

スロートレーニングは、比較的軽い負荷で筋肉にじっくりと刺激を与える方法です。
そのため、高負荷で行う通常のトレーニングと比較すると、筋肥大や筋力向上といった効果を実感するまでに時間がかかる場合があります。筋肉が目に見えて変化するには、少なくとも数ヶ月程度の継続が必要となることが一般的です。短期間での劇的な変化を求める場合には、物足りなさを感じるかもしれません。

 

精神的なきつさ

スロートレーニングは、ゆっくりとした動作で筋肉に持続的な負荷をかけるため、一見楽に思えるかもしれませんが、実際には筋肉に力を込め続ける精神的なきつさを伴うことがあります。特に、決められた秒数をかけて動作を行うことに集中する必要があり、これを毎日継続することに対して精神的な負担を感じる人もいるかもしれません。

 

瞬発力向上には不向き

スロートレーニングは筋肉を持続的に緊張させることに重点を置いているため、素早く大きな力を出すために必要な瞬発力の向上にはあまり向いていません。瞬発力を必要とするスポーツを行っている場合や、その能力を特に向上させたい場合には、スロートレーニングだけでなく、瞬発力に特化した別のトレーニング方法を組み合わせる必要があります。

 

 

スロートレーニングの効果的な実施方法

スロートレーニングの効果を最大限に引き出すためには、いくつかの重要なポイントがあります。単に動作をゆっくり行うだけでなく、筋肉への意識や呼吸法、そして継続することが大切です。ここでは、スロートレーニングを効果的に行うための具体的な方法について詳しく解説します。

 

動作をゆっくり行う

スロートレーニングの最も基本的な要素は、動作をゆっくりと行うことです。これにより、筋肉が力を発揮している時間を長く保ち、効果的な刺激を与えることができます。一つの動作に対して、上げるときも下ろすときもそれぞれ3秒から5秒程度の時間をかけることが推奨されています。

 

筋肉の緊張を維持する

スロートレーニングでは、動作中に関節を完全に伸ばしきったり、曲げきったりせず、常に筋肉の緊張が抜けないように意識することが重要です。これにより、筋肉に継続的な負荷がかかり、トレーニング効果を高めることができます。例えば、スクワットであれば立ち上がりきらずに少し膝を曲げた状態を保つ、腕立て伏せであれば肘を伸ばしきらない、といった工夫が必要です。

 

関節を完全に伸ばしきらない

スロートレーニングの効果を高めるためには、動作中に関節を完全に伸ばしきらないように注意します。これにより、筋肉への負荷が抜けるのを防ぎ、トレーニングしている筋肉に持続的な刺激を与え続けることができます。例えば、腕立て伏せで肘を完全に伸ばしきってしまうと、一時的に筋肉の緊張が緩んでしまう可能性があります。関節の可動域いっぱいに動かすのではなく、筋肉が緊張を保てる範囲で動作を繰り返すことがポイントとなります。また、無理に関節を伸ばそうとすることで、関節に余計な負担をかけてしまう可能性も減らせます。

 

呼吸を意識する

スロートレーニングを行う際には、呼吸を意識することが非常に重要です。一般的に、筋肉を収縮させる(力を入れる)時に息を吐き、筋肉を弛緩させる(力を抜く)時に息を吸うようにします。息を止めずにスムーズな呼吸を心がけることで、血圧の急激な上昇を防ぎ、筋肉への酸素供給も滞りなく行われます。

 

継続することの重要性

スロートレーニングに限らず、筋力トレーニングで効果を実感するためには継続が不可欠です。特にスロートレーニングは、比較的軽めの負荷で行うため、短期間で劇的な変化を期待するよりも、じっくりと継続することで効果が現れてきます。週に2回から3回程度の頻度でコンスタントに行うことが推奨されています。継続することで、筋力や筋持久力が徐々に向上し、体組成の変化も期待できるようになります。

 

 

スロートレーニングを行う上での注意点

スロートレーニングを安全かつ効果的に行うためには、いくつかの注意点があります。これらの点に注意することで、怪我のリスクを減らし、トレーニングの効果を最大限に引き出すことができます。ここでは、スロートレーニングを行う上で特に気をつけるべき点について解説します。

 

適切な負荷の設定

スロートレーニングは軽い負荷でも効果が期待できますが、全く負荷がない状態では十分な効果は得られません。自身の筋力レベルに合わせた適切な負荷を設定することが重要です。自体重を使ったトレーニングでも十分な負荷をかけられますが、物足りなく感じたり、さらに強度を上げたい場合は、ダンベルなどの器具を使用したり、動作のスピードをさらにゆっくりにしたり、回数を増やしたりすることで負荷を調整できます。初めは無理のない範囲で始め、徐々に負荷を上げていくようにしましょう。

 

ウォーミングアップとクールダウン

どのようなトレーニングを行う場合でも、怪我予防のためにウォーミングアップとクールダウンは重要です。スロートレーニングも例外ではありません。トレーニング前には軽い有酸素運動や動的なストレッチで体を温め、筋肉の柔軟性を高めることで、スムーズに動作を行えるようになります。トレーニング後には静的なストレッチを行い、使用した筋肉をゆっくりと伸ばすことで、疲労回復を助け、筋肉痛の軽減にも繋がります。

 

 

おすすめのスロートレーニング種目

スロートレーニングは、様々な筋力トレーニングの種目に取り入れることができます。ここでは、初心者の方でも取り組みやすく、全身の筋肉をバランス良く鍛えられるおすすめの種目をいくつか紹介します。これらのメニュー例を参考に、自身のトレーニングメニューを組んでみてください。

 

伝統的な筋力トレーニング

ベンチプレス、スクワット、アームカール、ラットプルダウンなど一般的な筋力トレーニングを指します。

普段レップのテンポなどをあまり気にせず行っている方にはぜひ、スロートレーニングで違いを感じてほしいです。

 

自重トレーニング

プッシュアップやスクワット、懸垂などの自重トレーニングにもおすすめです。自重トレーニングは重さという負荷は定数となりますが、スロートレーニングにすることで同じ自重でも大きな負荷となり、筋肥大などに効果を発揮します。

 

スロートレーニングをおすすめしない種目

スロートレーニングにデメリットがあるように種目でも選択を間違えるとデメリットとなります。

 

バランス系の種目

片足でのスクワットや体幹系でのバランス種目はあまりおすすめしません。
動きをスローにすることで狙っている筋肉への負荷というよりは支えている筋肉への負荷が大きくなってしまい本来の目的を失うためです。

 

まとめ

スロートレーニングとは、ゆっくりとした動作で筋肉に持続的な負荷をかける筋力トレーニング方法です。
少ない負荷でも効果が期待できる、関節への負担が少ない、血圧上昇を抑えるなどのメリットがあります。一方で、効果を実感するまでに時間がかかる、精神的なきつさを感じる場合がある、瞬発力向上には不向きといったデメリットも存在します。効果的に行うためには、動作をゆっくり行い、筋肉の緊張を維持し、関節を伸ばしきらず、呼吸を意識し、そして継続することが重要です。適切な負荷設定やウォーミングアップ、クールダウンも忘れずに行いましょう。

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【著者情報】
東田 雄輔

資格
・NSCA-CPT (NSCA認定パーソナルトレーナー)
・JATI-ATI (JATI認定トレーニング指導者)
・NASM-PES (全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト)
・NASM-GFS (全米スポーツ医学アカデミー認定ゴルフフィットネススペシャリスト)
・IASTM SMART TOOLs

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