2025.08.07
監修者: 代表取締役 山口 元紀
ヒップスラストの重量の目安や平均は?初心者におすすめの重量
目次
ヒップスラストは、お尻の筋肉である大臀筋を中心に鍛える効果的なトレーニングです。
特に女性に人気があり、ヒップアップや美脚効果が期待できるほか、下半身全体の筋力向上にもつながります。適切な重量とフォームで実践することで、より高い効果を得ることが可能です。今回の記事では、ヒップスラストの概要から、期待できる効果、そして個人のレベルに合わせた平均重量の目安まで、詳しく解説していきます。
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ヒップスラストについて
ヒップスラストはベンチや台に背中の上部を乗せて仰向けになり膝を90度程度に曲げた状態でお尻を上下させるトレーニングです。
この動作によりお尻の筋肉である大臀筋に集中的に負荷をかけられます。高重量を扱える種目でありながら股関節を最大限に使うことで大臀筋を効果的に鍛えられるためヒップアップを目指す方や下半身の筋力強化を目的とする方に特に推奨されるトレーニングです。
また、スクワットやデッドリフトでは太ももや腰に負荷が集中しやすいと感じる方でもヒップスラストは比較的お尻への効きを感じやすいという特徴があります。
ヒップスラストで鍛えられる部位
ヒップスラストで主に鍛えられる筋肉は「大臀筋」と「ハムストリングス」です。
大臀筋はお尻の大部分を占める体の中でトップクラスに大きな筋肉であり、丸みのあるヒップライン形成に不可欠な部位です。この大臀筋を鍛えることで、キュッと引き締まった上向きのお尻や、女性らしい丸みのあるヒップラインを作ることができます。
また、大臀筋の筋力向上は、40代以降に多く見られる「垂れ尻」の予防にもつながります。ハムストリングスは太ももの裏側に位置する筋肉群であり、ヒップスラストでは大臀筋とともに効果的に刺激されます。さらに、ヒップスラストは補助的に太ももの前側にある「大腿四頭筋」や「脊柱起立筋」も鍛えられるため、下半身全体の筋力アップにも貢献します。
ヒップスラストによる効果
・ヒップアップ効果
・美脚効果
・基礎代謝アップ
・お尻を鍛えることでの姿勢改善や腰痛予防
このようにヒップスラストを行うことでの効果は多岐にわたります。
ヒップスラストの適切な重量と回数
ヒップスラストを行う上で、目的を達成するための適切な重量と回数設定が重要です。
一般的に、筋力向上を目指す場合は高重量低回数、お尻の引き締めや筋肥大を目的とする場合は軽重量高回数が効果的とされています。具体的な目安としては、筋力アップであれば8~12回が限界となる重量で2~3セット、引き締めや筋肥大であれば15~20回が限界となる重量で2~3セットを行うと良いでしょう。
また、スタイルアップや身体を引き締めたい場合は、12~15回程度をこなせる重さを推奨します。重量よりも正しいフォームを意識することが大切で、初心者の方は、まず軽い重量から始めてフォームを習得することから始めましょう。セット間のインターバルは30〜60秒を目安に設定し、トレーニングで傷ついた筋肉が回復する時間を確保することも重要です。
初心者向けの重量設定
ヒップスラストを始めたばかりの初心者の方にとって、適切な重量設定は安全かつ効果的にトレーニングを進める上で非常に重要です。
最初から高負荷をかけるのではなく、まずは正しいフォームを習得することに重点を置きましょう。また、まずは自重でのヒップスラストから始めるのがおすすめです。自重でも十分に負荷を感じられる場合があり、お尻の筋肉を使う感覚を養うのに役立ちます。自重に慣れてきたら、ダンベルを使用したヒップスラストを試してみましょう。
初心者向けのダンベルの重量目安は、男女ともに10kg程度から始めるのが良いかと思います。ダンベルを股関節のあたりに乗せ、正しいフォームを維持できる範囲で、徐々に重量を上げていくことが大切です。
例えば、最初の1〜2週間はダンベル10kg程度の軽い重量でフォームを固め、3週間目からはバーベルで10〜20kg、1ヶ月後にはバーベルで30kgを目指すようなスピード感で重量を上げていくのが推奨されています。ジムで行う場合は、スミスマシンを活用するのも良い選択肢です。スミスマシンはバーベルの軌道が固定されているため、初心者でも比較的安定して高重量を扱いやすく、大臀筋に集中してトレーニングできます。女性の場合、スミスマシンであれば30kgから始めて徐々に上げていくのが目安とされています。いずれの方法でも、重量を上げる際は焦らず、丁寧な動作でお尻に効いている感覚を常に確認しながら行うことが重要です。無理な重量設定は怪我の原因となるだけでなく、効果も半減してしまう可能性があります。
セット数と実施頻度
一般的に、筋力向上や筋肥大を目的とする場合は、8〜12回が限界となる重量で2〜3セット行うのが効果的とされています。
また、お尻の引き締めやスタイルアップを目指す場合は、15〜20回が限界となる軽めの重量で2〜3セット、または12〜15回できる程度の重さで同様のセット数を行うのがおすすめです。トレーニング頻度に関しては、筋肉の回復期間を考慮することが不可欠です。
ヒップスラストで鍛えられる大臀筋は、体の大きな筋肉であるため、回復には時間がかかります。そのため、週1〜2回の実施頻度が適切とされています。毎日連続して行うのではなく、トレーニングとトレーニングの間に十分な休息日を設けることで、筋肉が回復し成長する機会を与えられます。1回1回のトレーニングを丁寧に行い、お尻に十分な負荷がかかっていることを意識しながら実践することで、効率的に効果を高めることができるでしょう。
ヒップスラストの平均重量
ヒップスラストの平均重量は、性別やトレーニング経験によって異なります。一般的な平均重量を把握することは、自身のトレーニング目標を設定する上で参考になるでしょう。ただし、重要なのは、単に重い重量を上げることではなく、正しいフォームで安全にトレーニングを行うことです。平均重量はあくまで目安として捉え、自身の体力レベルと目的に合わせて調整してください。
男性の平均的な重量
男性がヒップスラストを行う際の平均重量は、おおよそ30〜50kgかと思います。
トレーニング経験や個人の筋力レベルによって、この平均重量は大きく変動する可能性がありますが、自身の筋力に合わせて無理のない範囲で重量を設定し、徐々に負荷を上げていくことが大切です。高重量を扱う際は、腰に負担がかからないよう、特に正しいフォームを意識することが重要です。
女性の平均的な重量
女性がヒップスラストを行う際の平均重量は、おおよそ25〜45kgかと思います。
トレーニング経験や個人の筋力レベルによって、この平均重量は大きく変動する可能性がありますが、自身の筋力に合わせて無理のない範囲で重量を設定し、徐々に負荷を上げていくことが大切です。高重量を扱う際は、腰に負担がかからないよう、特に正しいフォームを意識することが重要です。
ヒップスラストのやり方
ヒップスラストには、バーベルを使った基本的な方法の他にも、マシンやダンベル、自重で行う方法など、様々なバリエーションがあります。それぞれの方法で準備やフォームに若干の違いがあるため、自身の環境やレベルに合わせて最適な方法を選択しましょう。
基本的なヒップスラスト
基本的なヒップスラストは、主にバーベルとトレーニングベンチを使用して行われます。
まず、ベンチを背にして床に座り、肩甲骨下角(肩甲骨の一番下)のあたりをベンチに乗せます。足は腰幅から肩幅程度に開き、膝を90度に曲げて足裏全体をしっかりと床につけます。このとき、つま先と膝はやや外側(約30〜45度)に向けることで、お尻の筋肉をより効果的に収縮させられます。バーベルは、股関節のやや下、太ももの付け根あたりにセットします。バーベルが直接当たって痛い場合は、パッドやクッションを挟むと良いでしょう。
手でバーベルをしっかりと握り、安定させます。スタートポジションが取れたら、息を吐きながらお尻をゆっくりと持ち上げます。この際、かかとで床を強く踏み込むような意識を持ち、腰を反らせるのではなく、お尻の筋肉を締める力で骨盤を天井に向かって持ち上げるようにします。肩から腰、膝までが一直線になる位置で1〜2秒静止し、お尻の筋肉が最大限に収縮していることを意識します。息を吸いながら、コントロールされた動きでゆっくりとお尻を床に下ろしていきます。お尻が床につく直前で止め、筋肉の収縮を緩めないように繰り返します。動作中は反動を使わず、お尻の筋肉の収縮とストレッチを感じながら丁寧に行うことが、効果を高める上で非常に重要です。
スミスマシンを使った方法
スミスマシンを使ったヒップスラストは、バーベルの軌道が固定されているため、初心者でも比較的安定して高重量を扱える点が大きなメリットです。まず、スミスマシンの下にトレーニングベンチを設置し、バーの位置をベンチより少し高い位置にセットします。ベンチに肩甲骨のあたりを乗せて仰向けになり、バーを太ももの付け根あたりに乗せます。足幅は肩幅程度に開き、足の位置は腰を上げたときに膝が地面と90度になる位置に調整します。つま先と膝が外を向くように意識しましょう。バーをしっかりと手で押さえ、息を吐きながらお尻を最大限まで持ち上げます。このとき、腰を反らさないように注意し、お尻の筋肉を絞るようなイメージでバーを上げ、肩・腰・膝が一直線になるようにします。上がりきった位置で1〜2秒静止し、お尻の収縮を意識すると効果が高まります。息を吸いながら、ゆっくりとバーを元の位置に下ろします。スミスマシンは軌道が固定されているため、手でバーを支える必要がなく、お尻の筋肉に集中してトレーニングできるのが特徴です。高重量を扱う際も、安全にトレーニングを進めやすいでしょう。
ダンベルを使った方法
ダンベルを使ったヒップスラストは、自宅で手軽に行える方法の一つであり、初心者にもおすすめです。まず、トレーニングベンチや安定した台(椅子の代用も可能)に背中の上部をつけ、仰向けになります。ダンベルを股関節の辺り、太ももの付け根に乗せます。ダンベルが直接当たると痛い場合があるため、座布団や枕などを挟むと良いでしょう。足幅は腰幅と同じくらいに開き、膝を90度に曲げて足裏をしっかりと床につけます。ダンベルが落ちないように両手でしっかりと支えながら、お尻の筋肉を締める意識でダンベルを持ち上げます。膝から肩までが一直線になる位置まで持ち上げ、お尻の筋肉の収縮を意識して1〜2秒静止します。息を吸いながら、ゆっくりと腰を落としていきます。この際、お尻の筋肉の収縮が緩まないように、床につく直前で止め、動作を繰り返します。ダンベルはバーベルに比べて場所を取らず、自宅でのトレーニングに適しています。初心者であれば、バーベルのような高重量は必要ないため、ダンベルヒップスラストから始めるのがおすすめです。
自重での実践方法
自重でのヒップスラストは、特別な器具がなくても自宅で手軽に行えるため、トレーニング初心者や、お尻の筋肉を使う感覚を養いたい方におすすめです。まず、ベンチや椅子など、膝くらいの高さの安定した台を用意し、バーベル使用時と同様に、両肩をその台に乗せて仰向けになります。足は腰幅に開き、膝を90度に曲げて足裏を床にしっかりとつけます。腰に両手を当てて、腰をゆっくりと持ち上げては下げる動作を繰り返します。このとき、意識を太ももではなく、お尻の筋肉に向けることが重要です。お尻を持ち上げる際は、お尻を締めながら、肩から膝までが一直線になる位置まで持ち上げます。ゆっくりと息を吸いながらお尻を上げ、吐きながらお尻を下げていく腹式呼吸を意識すると、脂肪燃焼効果も期待できます。動作中は、腰を反らさないように注意し、お尻の筋肉の収縮を感じながら行うようにしましょう。自重の場合、負荷が低いため、1セットあたりの回数を多め(20回程度)に設定すると効果的です。これにより、お尻の筋肉に十分な刺激を与えることができます。自重ヒップスラストは、お尻の筋肉の動かし方を覚えるのに最適なトレーニングであり、他のヒップスラストのバリエーションに進む前の基礎作りとして非常に有効です。
ヒップスラストの効果を高めるポイント
ヒップスラストは、正しいフォームといくつかのポイントを意識することで、効果を最大限に引き出すことができます。単に重量を上げるだけでなく、お尻の筋肉にしっかりと効かせることが重要です。
かかとを意識
ヒップスラストの効果を最大化するためには、かかとを意識したフォームが非常に重要です。お尻を持ち上げる際、足の裏全体、特にかかとで床を強く踏み込むような意識を持つことで、大臀筋への刺激をより強めることができます。この意識が薄いと、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)やハムストリングスに負荷が逃げてしまい、お尻に効かせにくくなる可能性があります。かかとを意識することで、股関節の伸展をスムーズに行い、お尻の筋肉を効果的に収縮させられます。動作中にかかとが浮いてしまう場合は、足の位置がベンチに近すぎる可能性があるので、足の位置を調整して膝から足首にかけての下腿が床と垂直になるようにセットし直しましょう。また、お尻を上げる際につま先で地面を蹴るようにしてしまうと、太ももに効いてしまうため、意識的にかかとで地面を押すようにすることが大切です。これにより、お尻の筋肉に集中的な負荷がかかり、ヒップアップ効果をより高めることができるでしょう。
つま先や膝の向きに注意
ヒップスラストの効果を最大限に引き出すためには、つま先や膝の向きを適切に意識することが重要です。
膝が内側に入ってしまうと、お尻への刺激が減り、膝に余計な負担がかかる可能性がありますので注意しましょう。膝を外側に開くようなイメージで持ち上げることで、中臀筋への働きも大きくなり、お尻全体のシェイプアップに繋がることもあります。動作中、常につま先と膝が同じ方向を向いていることを意識し、足首から膝、股関節にかけてのラインが一直線になるように保つことが、怪我の予防と効果的なトレーニングのために不可欠です。お尻に力が入るよう、足幅や足の位置を微調整しながら、最も効くポジションを見つけることも大切です。
呼吸のタイミング
ヒップスラストを行う上で、適切な呼吸はトレーニング効果を高め、安全に行うために非常に重要です。
筋力トレーニング中に息を止めてしまう人がいますが、ヒップスラストではしっかり呼吸を意識することが大切です。基本的な呼吸法は、お尻を持ち上げる際に息を吐き、お尻を下ろす際に息を吸うというサイクルです。呼吸を止めずに動作を行うことで、血圧の急激な上昇を防ぎ、安定したパフォーマンスを維持できます。また、ゆっくりと息を吐きながらお尻を上げ、吸いながら下げることを意識することで、動作のスピードを一定に保ちやすくなり、反動を使わずに筋肉に負荷をかけ続けることが可能になります。呼吸と動作を連動させることで、お尻の筋肉に意識を集中しやすくなり、より効果的なトレーニングへと繋がるでしょう。
お尻の筋肉の収縮を意識
ヒップスラストで効果を最大化するためには、お尻の筋肉、特に大臀筋の最大筋収縮を意識することが最も重要なポイントの一つです。
お尻を持ち上げる動作では、単に腰を上げるのではなく、お尻の筋肉をギュッと締め上げる意識を持つことが不可欠です。最も高い位置まで持ち上げた際に、お尻の穴を締めるように意識し、2〜3秒間キープすることで、大臀筋を最大限に収縮させ、より強い刺激を与えることができます。
このとき、腰を反らせてしまうと腰への負担が大きくなり、お尻への効果も薄れてしまうため、腰を反らさずに骨盤を軽く後傾を意識させた状態で、お尻の力だけで持ち上げるイメージを持つようにしましょう。
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東田 雄輔
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・JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者)
・NASM-PES(全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト)
・NASM-GFS (全米スポーツ医学アカデミー認定ゴルフフィットネススペシャリスト)
・IASTM SMART TOOLs
・PRI Postural Respiration 修了
・PRI Pelvis Restoration 修了
・PHI pilates act