2025.09.11
監修者: 代表取締役 山口 元紀
パーソナルジムの法人契約|メリットや経費計上の条件、選び方を解説
目次
従業員の健康増進や生産性向上を目指す企業にとって、福利厚生の充実は重要な課題です。
その選択肢の一つとして、パーソナルジムとの法人契約があります。
この記事では、パーソナルジムの法人契約がもたらすメリット、費用を経費として計上するための条件、そして自社に合ったジムの選び方から契約手続きの流れまでを具体的に解説します。
導入を検討している経営者や人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
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パーソナルジムの法人契約とは?
法人契約とは、企業が従業員の健康維持や福利厚生の一環としてパーソナルジムと契約し、従業員が利用できる制度を指します。
福利厚生として導入すれば、従業員の健康促進に加え、採用・定着や生産性向上への効果も期待できます。
企業がパーソナルジムと法人契約する5つのメリット
パーソナルジムとの法人契約は、企業にとって多くのメリットをもたらします。
従業員の健康を直接的にサポートできるだけでなく、組織全体の活性化や企業価値の向上にも貢献する可能性があります。
従業員の健康増進による生産性向上から、採用活動における競争力強化、さらには節税効果まで、多岐にわたる利点が存在します。
ここでは、企業が享受できる主な5つのメリットについて、それぞれ具体的に見ていきます。
従業員の健康維持・ストレス軽減
定期的な運動は、抑うつや不安、心理的ストレスの症状を中等度改善する効果が示されています(Singh et al., 2023)。
また、職場環境においてもストレス軽減やパフォーマンス向上への可能性が示唆されており、従業員の心身の健康づくりに有効な手段となり得ます。
社員の満足度が高まり離職率の低下につながる
福利厚生の充実は、従業員が企業から大切にされていると感じる要因の一つであり、エンゲージメントの向上に寄与します。
特に、心身の健康に直接働きかけるパーソナルジムの提供は、従業員の満足度を大きく高める施策となり得ます。健康的な体づくりを会社がサポートしてくれるという事実は、仕事へのモチベーション維持にもつながるでしょう。
結果として、優秀な人材の定着を促進し、離職率の低下に貢献することが期待されます。
企業への帰属意識を高める上でも有効な手段です。
企業の魅力が増し採用活動で有利になる
求職者は給与や業務内容だけでなく、企業の福利厚生や働きやすさも重視する傾向が強まっています。
その中で、パーソナルジムの法人契約といったユニークで先進的な制度は、企業の大きな魅力となります。
「従業員の健康を大切にする会社」というポジティブなイメージは、他社との差別化を図る上で有効です。
採用活動において、企業の魅力をアピールする強力な材料となり、優秀な人材を惹きつける一因となり得ます。
企業のブランドイメージ向上にも貢献するでしょう。
社内コミュニケーションの活性化が期待できる
パーソナルジムという職場以外の共通の場ができることで、従業員同士の新たな交流が生まれるきっかけになります。
部署や役職の垣根を越えてトレーニングに関する話題で盛り上がるなど、普段の業務では接点の少ない社員間のコミュニケーションを促進します。
法人契約によって個人よりも割安な料金で利用できるため、多くの従業員が参加しやすくなる点もポイントです。
こうした交流は、社内の風通しを良くし、チームワークの向上や円滑な人間関係の構築にも良い影響を与える可能性があります。
経費計上(福利厚生費)について
法人契約によるジム利用は、一定の条件を満たす場合に福利厚生費として損金算入できる可能性があります。
結果として法人税の負担軽減につながる場合もありますが、条件や解釈は会社の状況によって異なるため、最終的には税理士など専門家に確認することが強く推奨されます。
パーソナルジムの法人契約費用を経費にするための3つの条件
パーソナルジムの法人契約費用を福利厚生費として経費計上するには、税務上の要件を満たす必要があります。
単に企業が費用を負担するだけでは認められず、特定の従業員だけを優遇するような制度は給与とみなされる可能性があるため注意が必要です。
企業の節税メリットを享受し、かつ適切に制度を運用するためには、これから説明する3つの基本的な条件を押さえておくことが重要になります。
原則として全従業員が利用できる制度設計
福利厚生費として認められるための最も重要な原則は、全従業員が公平に利用できる機会を提供することです。
役員や特定の部署の社員だけが対象となる制度では、その費用は対象者への給与とみなされ、給与課税の可能性が高まります。
したがって、正社員だけでなく、契約社員やパートタイマーなどを含め、原則としてすべての従業員が希望すれば利用できるような規定を設ける必要があります。
利用条件に不公平感がないように制度設計することが求められます。
契約は法人名義で行うことを強く推奨
パーソナルジムとの契約は、必ず会社名義で行う必要があります。
従業員が個人で契約し、その費用を会社が後から補助する形式では、福利厚生費ではなく給与として扱われる可能性が高まります。
経費として計上するためには、企業が契約主体となり、ジムに対して直接支払いを行う形を取らなければなりません。
契約書や請求書、領収書などの名義がすべて法人名になっていることを確認し、適切に保管しておくことが重要です。
従業員の利用状況を記録・管理すること
福利厚生制度が実際に従業員によって適切に利用されていることを客観的に示すため、利用状況を記録・管理することが求められます。
誰が、いつ、どの程度サービスを利用したのかを把握できるような仕組みを整えておくべきです。
これは、制度が形骸化しておらず、福利厚生として機能していることを証明する上で役立ちます。
税務調査の際に、福利厚生費としての妥当性を説明するための根拠資料にもなるため、利用実績の管理を強く推奨します。
失敗しない!法人契約するパーソナルジムの選び方5つのポイント
パーソナルジムの法人契約を成功させるためには、自社の従業員のニーズや予算に合ったジムを選ぶことが不可欠です。
多くのジムが法人向けプランを提供しているため、どのジムと契約すべきか迷うこともあるでしょう。立地や料金はもちろん、サポート体制や施設の雰囲気など、多角的な視点から比較検討することが重要です。
ここでは、ジム選びで失敗しないために押さえておきたい4つのポイントを解説します。
従業員が通いやすい立地や営業時間か確認する
制度を導入しても、従業員が実際に利用しなければ意味がありません。
利用率を高めるためには、通いやすさが最も重要な要素の一つです。会社の近くや主要な乗り換え駅、または従業員が多く住むエリアなど、複数の視点から立地を検討することが望ましいです。
また、始業前や就業後、休日にも利用できるよう、営業時間が従業員のライフスタイルに合っているかも確認しましょう。
複数の店舗を利用できるプランであれば、従業員一人ひとりの利便性がさらに高まります。
企業の予算に合った料金プランを選ぶ
法人向けの料金プランはジムによって多岐にわたります。
月会費制、チケット制、利用人数に応じた従量課金制など様々な形態が存在します。まずは福利厚生にかけられる年間の予算を明確にしその範囲内で最適なプランを検討することが重要です。
企業の負担額と従業員の自己負担額のバランスも考慮する必要があります。
複数のジムから見積もりを取りサービス内容と料金を比較して最もコストパフォーマンスの高いプランを選択しましょう。
誰もが通いやすいコンセプトのジムを選択する
法人契約、福利厚生においては全従業員が公平に利用しやすいというのがポイントです。
例えば、男性には利用しやすいけど女性は敬遠しやすい雰囲気がある、ニッチすぎるコンセプトによってほとんどの人が通わない、というようなジムは避けたほうが望ましいです。
多くの従業員が「ここなら通えそう」と思えるジムを選ぶのが大切です。
初心者でも安心して利用できるサポート体制かチェックする
従業員の中には、運動経験がほとんどない初心者も多く含まれることが想定されます。
そのため、専門のトレーナーが個々のレベルに合わせて丁寧に指導してくれるか、初心者向けのプログラムが充実しているかなど、サポート体制の確認は欠かせません。トレーニングだけでなく、食事に関するアドバイスやカウンセリングなど、総合的な健康サポートを提供しているジムであれば、より高い効果が期待できます。
従業員が安心して利用できる環境が整っているかを見極めましょう。
契約前に体験利用や施設見学をする
資料やウェブサイトの情報だけでは、ジムの実際の雰囲気や設備の質、スタッフの対応などを正確に把握することは難しいです。
契約を決定する前に、人事担当者などが実際に施設を見学したり、体験トレーニングを受けたりすることをおすすめします。
可能であれば、複数の従業員で訪問し、様々な視点から評価するのが理想的です。清潔感や利用者のマナー、トレーナーとの相性などを直接確認することで、契約後のミスマッチを防ぐことができます。
パーソナルジムとの法人契約|基本的な手続きの流れを解説
パーソナルジムとの法人契約を具体的に進めるにあたり、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。情報収集から始まり、社内での検討、そして契約締結と従業員への周知まで、いくつかのステップがあります。
円滑に導入を進めるためには、あらかじめ全体的な流れを把握しておくことが大切です。
ここでは、パーソナルジムとの法人契約における基本的な手続きの流れを4つのステップに分けて解説します。
STEP1:複数のジムに問い合わせる
まずは、自社のニーズに合いそうなパーソナルジムをいくつかリストアップし、法人向けプランに関する問い合わせをすることから始めます。
企業のウェブサイトに法人契約専用の問い合わせフォームが設置されていることが多いほか、電話での問い合わせも可能です。
この段階では、料金体系、提供されるサービス内容、契約可能な店舗の範囲など、基本的な情報を収集し、比較検討の土台を作ります。
複数のジムから情報を集めることで、客観的な判断が可能になります。
STEP2:担当者と打ち合わせを行い見積もりを依頼する
収集した資料を基に候補を絞り込んだら、各ジムの法人担当者と打ち合わせの機会を設けます。
打ち合わせでは、自社の従業員数や想定利用人数、予算などの具体的な要望を伝え、最適なプランの提案を受けます。
利用できるサービスの詳細やサポート体制、契約条件など、不明点を直接質問して解消しておくことが重要です。
その上で、自社の条件に合わせた正式な見積もりを依頼し、具体的な導入コストを把握します。
STEP3:社内で導入を検討し承認を得る
各ジムから受け取った提案内容と見積もりを基に、社内で導入の可否を本格的に検討します。
費用対効果や従業員へのメリット、運用方法などを整理し、稟議書を作成して経営層の承認を得るプロセスが必要です。導入目的を明確にし、生産性向上や離職率低下といった企業への貢献度を具体的に示すことで、スムーズな承認につながります。
この段階で、経費計上の条件を満たしているかどうかも、経理部門と連携して最終確認しておきます。
STEP4:契約を締結し従業員へ利用方法を周知する
社内での承認が得られたら、選定したパーソナルジムと正式に法人契約を締結します。
契約内容を十分に確認し、双方が合意の上で契約書を取り交わします。契約締結後は、速やかに従業員へ制度の導入を告知し、利用方法を周知することが重要です。
社内ポータルサイトへの掲載や説明会の開催、利用マニュアルの配布などを行い、従業員がスムーズに利用を開始できるようサポートします。
利用を促すための積極的な広報活動が、制度の定着につながります。
まとめ
パーソナルジムの法人契約は、従業員の健康増進を通じて生産性向上や離職率低下に貢献する有効な福利厚生制度です。
導入によるメリットは、従業員満足度の向上や採用競争力の強化、節税効果など多岐にわたります。費用を経費として計上するためには、全従業員が公平に利用できること、法人名義で契約すること、利用状況を管理することの3つの条件を満たす必要があります。
ジムを選ぶ際は、立地や料金プラン、サポート体制を比較検討し、体験利用などを通じて自社に最適なパートナーを見つけることが成功の鍵となります。
情報収集から契約、従業員への周知まで、計画的に進めることで、制度の効果を最大限に引き出すことができます。
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【著者情報】
東田 雄輔
– 資格
・NSCA-CPT(全米エクササイズ&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)
・JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者)
・NASM-PES(全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト)
・NASM-GFS (全米スポーツ医学アカデミー認定ゴルフフィットネススペシャリスト)
・IASTM SMART TOOLs
・PRI Postural Respiration 修了
・PRI Pelvis Restoration 修了
・PHI pilates act
https://drtraining.jp/cast/higashida/
参考文献
・Singh B, et al. Physical activity improves depression, anxiety and distress. Br J Sports Med. 2023;57(4):220–229. DOI: 10.1136/bjsports-2022-106195
・Heissel A, et al. Exercise is an effective treatment option for depression. Br J Sports Med. 2023
・AAFP. Generalized Anxiety Disorder and Panic Disorder in Adults. Am Fam Physician. 2022
・文部科学省「スポーツが健康にもたらす効果等のエビデンスに関する調査研究」2024
・国税庁「交際費等と福利厚生費との区分」「給与等とされる経済的利益」