2024.04.19
「妊娠中の疲れやすさ」理由と自身の身体を知って解決!
目次
Dr.トレーニングは、メディカルパーソナルジムとして【マタニティトレーニング】をもっと広めていきたいと考えております。
女性であれば誰しもが思う「母子ともに健康で元気な赤ちゃんを産みたい!」という願いに最大限寄り添ってトレーニングを提供しております。
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今回の記事はマタニティトレーニングにおいて圧倒的な臨床経験を誇る、Dr.トレーニングのマタニティに関連する記事となります。
こんにちは!
Dr.トレーニングマタニティ事業部責任者の青柳です。
『妊娠前と比べ、妊娠中は疲れやすくなった…』
という声が多く寄せられます。
妊娠中の疲労感は医学的には問題がないと捉えられていますが、妊婦の90%以上は全身倦怠感[1]、および疲労感を自覚し、約75%はそれを「とても辛い・少し辛い」[2]としている研究結果もあります。
今回は、妊娠中の疲れやすさについての解説と、経験者の声をもとに対策についてお伝えします!
妊娠中の「疲れやすさ」について
まずはマタニティトレーナーとしての「妊娠中の疲れやすさ」に対する考え方ですが、
”妊娠期〜産後は身体的変化によって疲れを感じやすくなるが、妊娠中は無理に体力向上をさせるよりも、体力低下をさせないための生活習慣を身につけた方が良い”
というものになります。
妊娠期は胎児が健康に発育するための環境を整えるため、女性の身体に変化が起きますが、ここでは妊娠周期別での「疲れ」の要因をまとめてみました。
【妊娠初期】
・体温上昇
妊娠成立・継続のため、黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きで受精卵が着床する子宮内膜が維持されますが、基礎体温を上昇させる働きもあります。[3] 妊娠中期が近づくと、他のホルモンを産生する胎盤の働きが安定するため、体温は妊娠前の平常へ戻るとされています。[3,4]
風邪で体温が平熱よりも上がり、体がだるい状態を思い浮かべてください。
・つわりの症状
つわりの症状が、「だるさ、胃の不快、面倒さ」を引き起こしやすく、倦怠感は妊娠中・後期よりも初期が強く感じやすいとされています。[4]
この研究結果に、お客様からの声を合わせてみると…
『食べづわり・吐きづわりの症状で、食事がまともに取れなくなった』
『日中や夜のだるさが強くなり、妊娠前に習慣にしていた運動ができず、肩こりや腰痛を感じやすくなった』
これらも疲労感を増す要因として考えられます。
【妊娠中期】
・マイナートラブル増加&運動不足
マイナートラブル(妊娠中に経験する不快症状)の身体的な要因として、消化器、泌尿・生殖器、関節運動器、全身性・精神神経系、循環器・血管運動系、皮膚・口腔・感覚器系、というように多岐にわたります… [5]
妊婦さんの悩みとして、肩こり・腰痛、股関節・骨盤周りの不快感、動悸・息切れ、冷え・むくみのお話を聞くことが多いですが、弊社でこれらの症状を強く感じているお客様は、倦怠感・疲労感が強く出ている傾向にあると感じています。
【妊娠後期】
・睡眠のクオリティ低下
妊娠中期からの身体的変化によって、睡眠の状態が悪くなると感じる妊婦さんも多くいます。
詳しくは、「妊娠中の寝る姿勢・向き」 https://drtraining.jp/media/28061/ の記事をお読みいただきたいですが、就寝中の腰痛、首・肩こり、寝る姿勢が辛い、足がつって目が覚める、胎動・尿意により、睡眠の質が落ちやすいです。
・環境変化への精神的ストレス
妊娠後期の心の疲労度が低い状態(人間関係が良好、孤独を感じていない、身体的な健康感、心が落ち着いている、など)[6] であると、出産直前から産後の気分の落ち込み、マタニティブルーズ・産後うつのリスクが低下すると言われています。[7]
お客様の話を伺うと…
「産休前の仕事の引き継ぎで忙しい」
「日常生活の移動や通勤でだるくなる」
「上のお子様の世話で疲れる」
自分の思ったように物事が進まないことでイライラする
という悩みを聞くことがあります。
「妊娠中の疲れ」に対しての対策
ここまで妊娠中に疲れやすくなる要因をまとめてみました。
次は出産を経て、現在は育児中の中、Dr.トレーニングでマタニティトレーナーとして活躍する目野トレーナーに、「妊娠中の疲れを軽くするために意識したことは?」というテーマでインタビューをしました。
青柳(以下 A):本日もよろしくお願いします!ちょうど子育て中ですが、お子さんは何才になりましたか?
目野(以下 M):1歳と9ヶ月になります。
A:あっという間に2歳になりそうですね…同時に出産からもうすぐ2年になりそうですが、今まで寝不足や心身の不調で辛かったこともありましたか?
M:最近も娘が夜に起きてくるので、毎日まとまった睡眠を取れていませんが、寝不足はそこまで気にならないです。逆に寝ている時間を狙って、自分の仕事をこなしたり、身体の調子を整えるようにしています。産後間もない頃は、子供を基準とした生活になって、自分がやるべきこと、やりたいことができないことにストレスを感じていましたが、今は日々のことをルーティン(習慣)にして乗り切っています。
A:ありがとうございます!今回は「妊娠中の疲れとその対策について」をテーマにお話を聞かせてください。まずは経験を振り返ってみて、妊娠周期の中で一番疲れを感じた時期はいつでしたか?
M:私の場合は妊娠初期でした。つわりの症状はほとんど無かったですが、妊娠前と比べて倦怠感や疲れを感じやすく、やる気が起こらないといったことがありました。
A:妊娠初期の疲れと比べて、中期はどのように感じていましたか?
M:初期のような不調はほとんど感じず、妊娠前の元気な状態と変わらないくらい安定していました。
A:そうだったんですね!妊娠前からの生活習慣が整っていれば、妊娠中でも元気というお客様が多い印象ですが、後期からマイナートラブルの悩みが出てくる場合もあります。目野さんの場合はどうでしたか?
M:妊娠後期はお腹が大きく・重たくなってくるので、その影響による体のコリ・痛みと脚の疲れを一番強く感じました。さらにお腹が張ってきて、午後から夕方にお腹が悲鳴を上げていました…
A:なるほど、体の疲労感が強かったんですね… 次は「妊娠中の疲れ」の対策として、目野さんが実践してきたことを運動、栄養、休養という3つのポイントでお話いただきたいです!
M:運動は妊娠前からの習慣を崩したくないと思っていました。安定期に入った後で外を歩いたり、筋トレを実践して週1回はDr.トレーニングのマタニティトレーナーに身体を見てもらっていました。心のリフレッシュになって、疲れも解消できました!
A:運動後の栄養補給は重要と考えていますが、何か気をつけていましたか?
M:妊娠中に味覚の変化で食べるものは変わりましたが、極端な制限は行わず、ストレスをかけないように食べたいものを食べていました。後期は胃が圧迫されていたので、消化が早い食べ物を回数を分けて摂り、必要な栄養素が不足しないようにサプリメントで補っていました。
A:休養で一番重要だと感じたことは何でしたか?
M:眠れる時に眠ること(睡眠)だと思います。妊娠中は眠気を感じることが多かったので、仕事中も仮眠を取れるように周りの方に話をしていました。自宅にいる時は無理をせずに昼寝をする、寝返りをしやすいように抱き枕を使ったのがよかったです。
A:妊娠中は睡眠の質が落ちる傾向にあると思いますが、何か対策はしましたか?
M:妊娠中は運動をしてわざと体を疲れさせると、夜に自然と寝落ちすることが増えました。2日に1回20分程度、テレビを観てリラックスしながらストレッチするだけでも疲れを軽減する効果はあると思います。
A:お話をいただきありがとうございます!最後に「妊娠中の疲れ」に対して悩んでいる方へ、メッセージをお願い致します。
M:当時は第一子の妊娠で不安なことを考えすぎてしまい、疲れを感じやすくなると思いました。疲れ対策は、経験者の話を聞いて簡単にできそうなことを試してください。妊娠中に「子供のためにがんばる」ことが大変な時もありましたが、将来に子供との生活を楽しむためにも、自分の身体を大切にしてほしいです。
まとめ – 妊娠中の疲れやすさ –
今回は妊娠中の疲れやすさについて要因を解説しつつ、経験者の声も紹介しました。
Dr.トレーニングでは、運動・栄養・休養の観点から、妊娠中から産後のお子様の健康を守り、お客様のなりたい姿、悩みに寄り添い、真摯にサービスを提供させていただきます。
https://drtraining.jp/maternity_lp/
「妊娠中の疲れ」に対して、より詳細な対策を知りたい方は、ぜひ体験トレーニングを受けてみてください!
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最後までご覧いただきありがとうございました!
【筆者プロフィール】
Dr.トレーニング|マタニティ事業部責任者
青柳 陽祐
【学歴】
ラッセル大学 アスレティックトレーニング&スポーツサイエンス学部 ATC学科
【職歴】
慶應義塾大学医歯薬学部ラグビー部
東京健康科学専門学校 非常勤講師
コモゴルファーズアカデミー
【資格】
NATA-ATC(全米アスレティックトレーナーズ協会認定トレーナー)
参考文献
[1] 新川治子, 島田三恵子, 早瀬麻子, & 乾つぶ. (2009). 現代の妊婦のマイナートラブルの種類, 発症率及び発症頻度に関する実態調査. 日本助産学会誌, 23(1), 48-58.
[2] 加藤千恵子, カトウ,チエコ, 廣橋容子, ヒロハシ,ヨウコ, 石川貴彦, イシカワ,タカヒコ, … & ユウキ,ヨシコ. (2018). 妊婦が自覚したマイナートラブルと指尖脈波から明らかにした妊娠前期, 中期, 後期の特徴. 紀要, 12, 63-76.
[3] DeSaix, P., Betts, G. J., Johnson, E., Johnson, J. E., Oksana, K., Kruse, D. H., … & Young, K. A. (2013). Anatomy & Physiology (OpenStax).
[4] 山田健代, & 森脇智秋. (2021). 妊婦の疲労感に関する国内文献の検討. 徳島文理大学研究紀要, 101, 35-41.
[5] Shinkawa, H. (2009). A survey of the variety, incidence rate, and frequency of minor symptoms currently experienced by expectant mothers. J Jpn Acad Midwif, 23(1), 48-58.
[6] 津田茂子, 田中芳幸, & 津田彰. (2004). 妊娠後期における妊婦の心理的健康感と出産後のマタニティブルーズとの関連性. 行動医学研究, 10(2), 81-92.
[7] Beck, C. T., Reynolds, M. A., & Rutowski, P. (1992). Maternity blues and postpartum depression. Journal of Obstetric, Gynecologic, & Neonatal Nursing, 21(4), 287-293.