2025.02.02
マタニティピラティスの効果といつから始めて良いのか? ヨガとの違いは?
目次
こんにちは!
Dr.トレーニングテクニカルマネージャーの中䑓淳志です!
弊社でのトレーニングのテクニカル部門の統括を行なっており、ピラティス事業においてもマネージャーとして、「ピラティスを通常のトレーニングとどう混ぜていくことで、お客様の健康をサポートできるか」というところも行なっております。
通常のトレーニングにピラティスエクササイズを混ぜることで、より医学的根拠に基づいた最良のお身体に向けた運動が可能となります。
妊娠中の運動のメリットは?
今回は妊婦さんが実施するピラティスの解説をする前に、妊婦さんが運動をするメリットをまとめてみました。
過去の記事※にも書いていますが、妊娠中に習慣的な運動をするメリットとして、
・経膣分娩の確率を上げ、帝王切開の確率を下げる [1]
・胎児の過剰・過小な体重での出生、妊娠糖尿病・高血圧症候群、早産の確率を下げる [1]
というものがあり、他には…
・適正体重の維持(極度のやせ・肥満になりづらい)[2]
・睡眠の質を改善する(心身の疲労・だるさを軽減する)[3]
・精神的ストレスの低減(イライラ、落ち込み、不安感を軽減する)[3]
・各種ホルモンの血中濃度上昇(エストロゲン、成長ホルモン、β-エンドルフィンなど・月経の調整、脂質の代謝、筋肉・骨を作る、気分の改善に必要なホルモン)[4]
これらの研究結果から、女性のライフステージにおいて、運動習慣を身につけることが、健康な心身を保つために役に立つと考えることができます。
※妊娠中の運動に関するガイドラインの記事
https://drtraining.jp/media/27352/
マタニティピラティスを始めるタイミング・注意事項
妊娠中にピラティスを開始する時期は、お客様が利用する施設により条件が異なるため、今回は弊社における指導開始の条件と、運動実施中の注意事項をお伝えします。
弊社では下記の条件を全て満たしている限り、希望されるお客様へサービスを提供します。
・妊娠12週以降である
・産婦人科医から明確な禁忌事項が理由で運動を禁止されていない
・妊婦さんご自身が運動をしたいという意思を示している
また、運動前〜運動後に下記の状態[1]になった場合、かかりつけの病院・産婦人科医へ連絡を取り、直ちに受診をしてください。
・膣からの出血
・腹痛
・規則的な腹部などの収縮感
・破水
・息切れ、めまい、頭痛
・胸の痛み
・体に力が入らない状態
・ふくらはぎの痛み・腫れ
マタニティピラティスの効果
マタニティ期にピラティスを使うことでの効果は、主に5つあります。
1.呼吸機能の改善
ピラティスエクササイズを進めていく中で重要なことの1つとして、呼吸があります。ピラティスでは主に体幹周りの筋肉へのアプローチが多く、なるべくリラックスして行う必要があります。そうすることで、呼吸機能は改善されます。呼吸機能の改善は、安全な出産においてもかなり重要となります。
2.姿勢改善
続いて、姿勢改善効果になります。前述の通り、ピラティスエクササイズを通じて、リラックスすることや体幹の機能を鍛えることができます。それは、姿勢改善においても必要なことになりますので、改善効果があります。妊娠期には、骨盤が前傾し、腰が反りやすくなり、腰痛なども起きやすいため、姿勢改善機能を鍛えることで、和らげることに繋がります。
3.可動域の確保
2番目の姿勢改善ができてくると、今度は可動域の確保に繋がってきます。
ピラティスエクササイズのほとんどが「低い負荷で最大可動域で動かすもの」になります。妊娠期において可動域を改善、確保することで腰などの痛みの予防や肩こりの予防にも繋がります。
4.トレーニング効果アップ
通常の重りを扱うようなトレーニングにピラティスを取り入れることで、可動域が上がったり、姿勢の改善がされるので、トレーニングそのものの質が上がります。そうなることで、正しい負荷を加えられ、妊娠期に落ちやすい筋力も効率的に鍛えられ、出産はもちろん産後のケアにも有効です。
5.自律神経が整う
呼吸機能が改善され、適切な負荷で適切なトレーニングができ、姿勢や可動域が改善されることで、もちろん期待できるのが自律神経バランスが整う、ということになります。
ピラティスエクササイズは基本的にはリラックスして行う分、普段優位になりやすい交感神経を落とし、逆に落ちやすい副交感神経も高めていきます。自律神経が整うことで、出産時はもちろん、産後のケアとしても大きく貢献いたします。
ピラティスとヨガの違い
ピラティスとヨガの違いについて、私なりの見解を解説いたします。
よく、ピラティスとヨガは「ストレッチ」や「体幹を鍛える」などと同じようなカテゴリーにされがちなイメージがあると思います。
しかし、ピラティスとヨガは似て非なるものだと私は思います。
それぞれの元々の概念として、ヨガはリラクゼーションなどが目的となり、ピラティスはリハビリがルーツになります。
ですので、それぞれの目的に合わせて的確に使用することで、より効果的な運動が可能となると思います。
それぞれ、ボディワークとしては素晴らしく、出産に向けてもかなり重要となります。弊社のトレーニングは、ヨガ要素もピラティス要素も、お客様にあったものを的確に提案し、行うことでより効率の良いトレーニングを可能としております。
マシンピラティス or マットピラティスどっちがおすすめ?
マットピラティスとマシンピラティスの目指すべきゴールとしては、マットピラティスで自由に身体を動かせることになります。
ですので、最終的にはマットピラティスがおすすめですが、初心者の方はマシンピラティスがおすすめです。
マシンピラティスは、運動の補助をしてくれるので、普段できないような可動域でのトレーニングができたり、よりリラックスできたり、日常でも使わないようなマシンを使うので、何より楽しくできます。
楽しく集中して取り組むことで、より運動効果は増しますので、そういった意味でもマシンピラティスは非常におすすめになります。
マタニティピラティスで提供しているおすすめメニュー
マタニティ期にオススメのマシンピラティスエクササイズをご紹介させていただきます。
エクササイズのデモ:菊池 はる乃トレーナー
リフォーマー「レッグローワ」
1つ目は、リフォーマーを使ったレッグローワです。こちらは、仰向けでリラックスした状態で行う種目になります。主に、腹筋群、骨盤底筋群を鍛えられる種目になります。
通常、リラックスした状態で腹筋群や骨盤底筋群を鍛えられることで、出産時に必要な機能、また産後のケアに向けてもオススメのエクササイズとなります。
チェア「マーメイド」
2つ目は、チェアを使ったマーメイドになります。
この種目は、座った姿勢で身体を横に倒していく種目になります。主に、肋骨周りや肩周りのストレッチ、下腹部やお尻を鍛えられる種目になります。
上記の機能はマタニティ期において非常に重要なものとなります。
特に肋骨周りに関しては、マタニティ期においては硬くなりやすい部分でもあります。肋骨やお腹を赤ちゃんがいるお部屋と考えた時に、そちらに対してアプローチすることでお腹の赤ちゃんやお部屋の主であるお母さんの両者にとって良い影響を与えます。また、肋骨周りや下腹部を鍛えることで出産時にも非常に大きな役割を果たします。
Dr.トレーニングではこのような種目をマタニティピラティスで提供しています。
マタニティピラティスでやってはいけないポーズは?
マタニティピラティスについてのやってはいけないポーズとして、「うつ伏せ」があります。
加えて、ポーズというより動きになりますが、過度に身体を捻る運動や激しく息の上がる運動も避けるべきです。
お腹に赤ちゃんがいるので、うつ伏せや身体を捻る運動はどうしても厳しく、また激しく息のあがる運動も母体にとって良くはなく、上述の呼吸機能にも影響を与えるのでNGとなります。
ピラティスエクササイズでは、エクササイズのバリエーションも多いので、安心して取り組むことができます。
まとめ – マタニティピラティス –
最後に、マタニティピラティスはマタニティ期に必要かつ鍛えた方が良い機能を満遍なく行えて、かつ動きのバリエーションも多くあるので、安全な出産、産後のケア、その後の健康にとってオススメとなります。
Dr.トレーニングでは、「一瞬ではなく、一生モノの身体づくり。」というミッションのもと、医学的根拠に基づき最良のエクササイズを処方できるトレーナーに加えて、マタニティ専門とピラティス専門のハイブリッドのトレーナーが多数いるので、マタニティ期のお客様にピラティスエクササイズはもちろん、通常のトレーニングも幅広く提供させていただきます。
ぜひ、お母さんと赤ちゃんの健康のため、弊社をご利用いただけたら幸いです。
ご一読いただき、ありがとうございました。
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https://drtraining.jp/contact/
https://drtraining.jp/maternity_lp/
【著者情報】
中䑓 淳志
https://drtraining.jp/cast/nakadai/
– 資格
・NSCA-CSCS(NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
・NASM-PES(全米医学協会公認パフォーマンス向上スペシャリスト)
・PRIマイオキネマティックリストレーション修了
・PRIポスチュラルレスピレーション修了
・PRIペルビスリストレーション修了
・PRIインピジメント&インスタビリティ修了
・Driveline Baseball認定Foundation of Pitching
・Driveline Baseball認定Youth Baseball Development
・Driveline Baseball認定Basic of Pitch Design
・Driveline Baseball認定Foundation Strength