2022.06.23
【妊娠後期に行える運動】とは|スクワットは行っても大丈夫?
目次
Dr.トレーニングは、メディカルパーソナルジムとして【マタニティトレーニング】をもっと広めていきたいと考えております。
女性であれば誰しもが思う「母子ともに健康で元気な赤ちゃんを産みたい!」という願いに最大限寄り添ってトレーニングを提供しております。
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今回の記事はマタニティトレーニングにおいて圧倒的な臨床経験を誇る、Dr.トレーニングのマタニティに関連する記事となります。
こんにちは!
Dr.トレーニング マタニティトレーニング事業部責任者、青柳です!
私は日本の高等学校卒業後、アメリカに渡り、アメリカで準医療資格である
NATA-ATC(全米アスレティックトレーナーズ協会認定トレーナー)を取得し、現在もパーソナル トレーナーを行なっております。これまで、100人以上の妊婦さんや産後の方をサポートさせていただいている私の知識や経験から記事を書いておりますので、どうぞ最後までご覧ください。
妊娠後期に行える運動とは
以前の記事、妊娠初期の運動についてお伝えしましたが、今回は妊娠後期における身体や運動のこと、よく聞かれる質問について解説をします。
https://drtraining.jp/archives/18794
妊娠後期は、妊娠中期・安定期以降と比べて、快適に実施できる運動が少なくなる傾向にあります。特に妊娠9ヶ月半(33-34週)以降は、みぞおちの上や骨盤周りへの圧迫を強く感じることもあり、息切れしやすい、股関節や腰の違和感が出ると言う妊婦さんもいます。
“妊娠中〜産後での心身の変化は、ほぼ100%の確率で起こる”
このように考えておけば、妊娠初期のつわりによる体調不良、妊娠後期〜産後における心身の不調は何かしら起こると想定しやすいと思います。
ぜひ、妊娠をする前の時期から、ご自身の健康と生活習慣について考えていただきたいです。
妊娠後期の状態は?【心身の変化】
妊娠後期(〜産後)に起こる変化により、心身への影響が出ることを考慮しておいたほうが良いです。不調とその原因を簡単にまとめると…
・子宮・胎児の発育による、臓器の圧迫や伸張
息切れ
尿もれ
便秘
冷え・むくみ
お腹が張りやすい
・子宮・胎児の発育による、体型・姿勢の変化※1 ※4
つまずきやすい、歩幅が小さくなる
足元が見えづらい
肩こり・腰痛
・女性ホルモン分泌量の変化(妊娠中〜産後)※2
イライラ、落ち込み、不安感
自己肯定感の低下
睡眠の問題
・血液量と成分割合の変化※3
動悸
軽度の貧血
妊婦さんによって不調の種類・程度の差はあれ、誰にでも起こる可能性のある問題です。
これらの不調を考慮し、妊娠後期の運動におけるポイントをまとめてみました。
妊娠後期の運動におけるポイント
・お腹の張り、骨盤周りの違和感に注意する
特に妊娠後期以降は、お腹が大きくなるにつれて、お腹や股関節周囲を動かしづらくなり、仰向けの姿勢、しゃがみ、体をひねる運動で、お腹や骨盤周りに不安を覚えることもあります。
このような時には、トレーナー・インストラクターさんから、同じ運動でも違和感を避けながら、快適に行える動作のコツを教えてもらうのがベストです。
・急な姿勢変更を少なくする
座りから立ち上がる、仰向けから起き上がる、といった姿勢の変更は、前述した違和感が出やすいことに加えて、起立性低血圧(脳貧血。立ちくらみなどの症状が出る)を引き起こしやすいです。症状が出やすく気にする妊婦さんは、立った・座った・寝たままで運動を実施することをおすすめします。
妊娠後期におすすめする運動とそのやり方
妊娠前から運動を習慣にしていた方で、妊娠後期で思うように動けなくなった、体の不調を感じるようになった、という声を聞くことがあります。
ウォーキングは、妊娠期間全般でおすすめできますが、妊娠後期では股関節・骨盤周囲の動きに制限が出やすいです。
今まで通りに動けない、運動は苦手だけど何か運動をしたいと思うときは、以下のようなことを検討してみてください。
・ウォーキングをすると気負わず、買い物、犬の散歩、外出ついで少し散歩する程度の軽い気持ちで始める
例えば、“散歩に出かける前に着替えて、シューズを履く。それから5分だけ歩く”でも構いません。
気負って高すぎる目標を立てる→それができない→できない自分が嫌になって落ち込む
ということもあるので、特に運動に苦手意識がある方は、最初はとにかく簡単な目標を設定して、それを習慣にしてください。
・体が重くて動きづらいときは、ヨガと水泳も試してみる
マタニティヨガの効果に関しては、こちらの記事をお読みいただければと思います。
https://drtraining.jp/archives/15702
マタニティスイミングも有酸素運動になりますが、ウォーキングと比べると、水中で身体にかかる浮力・水圧による、むくみ軽減と関節への負担を減らす効果が期待できます。
また、股関節・骨盤周囲の動きづらくなる妊娠後期は、運動前にこれから紹介する、ワイドスクワットを行ってみてください。
・ワイドスクワット
①
両足を開いて立つ(足幅:かかとが肩幅より広く、つま先を60°外へ開く)
②
両手を股関節に当てて、お尻を後へ引きながら、上体を股関節から前へ傾けてしゃがむ(お尻が膝より少し高い、膝と同じ高さくらいまで)
③
股関節からお尻を前へ送り出し、まっすぐ立ち上がるときにお尻を締める
スクワットの効果に関しては、こちらの記事をお読みください!
https://drtraining.jp/archives/18178
妊娠後期でよくある質問
下記に妊娠後期でよくお客様に聞かれる質問をまとめています。
妊娠後期の運動・トレーニングはいつ頃まで続けられますか?
38-40週目まで、産前のトレーニングを続けられる方が多いです。
実例では…
産休に入るタイミングで里帰りをする(妊娠37-38週目まで)
お医者様から、妊娠37週目以降はどんどん動いてほしいと言われた(妊娠40週目・出産2日前まで)
ということもありました。
Dr.トレーニングでは、出産間近の兆候(破水や陣痛)が出ていない前提で、妊婦さん本人から運動をしたいという意向をお聞きしたときは、お身体の状況に合わせたトレーニングメニューを提案しています。
産後の運動・トレーニングはいつから再開できますか?
体調が良ければ、産後の入院中から。本格的な運動復帰は、産後1ヶ月検診が終わってからをおすすめしています。
マタニティトレーニングを受けているお客様には、産後の入院中からできる簡単な運動をお伝えしてます。産後1ヶ月検診で、特に異常が観られなければ、運動復帰を検討しても良いです。
ただ、産褥期(産後6-8週間)は、妊婦さん自身も十分は休養と、子供がいる生活環境に慣れることが重要です。
自分自身も健康でいるために、ご家族のサポート、子供を預ける・体のケアを受けられるサービスの活用もぜひ検討いただきたいです。
妊娠後期〜産後でやっておくと良い運動はありますか?
肩甲骨と骨盤周りを大きく動かす、育児で必要になる体力をつける、効率的な日常動作のコツを覚える、これら3つを目的にした運動をおすすめします。
妊娠中でも在宅勤務でデスクワークが多く、運動不足を実感してる方がとても多いです。
さらに育児では、動きや姿勢に偏りが出てしまうことは避けられません。
日常の何気ない動作でも長時間、繰り返し行えば、どのような人でも体の負担になります。
このような状況では、肩周りや股関節を大きく動かす機会が減り、腰痛・肩こり、姿勢が悪くなった、冷え・むくみのような不調が起こりやすくなってしまいます。
マタニティトレーニング(筋トレ)の場合は、単純に筋肉や体力をつけたりするだけではなく、育児で必須になる動作(拾い上げる、立ち上がる、持ち上げる、座る、下ろす・置く)で、体の負担を減らし、効率よく動く練習も同時にできます。
この点は、ぜひトレーナーのアドバイスを受けて、実感することをおすすめします。
妊娠後期に入り、胃痛がします。どうすれば良いのでしょうか。
妊娠後期には子宮が胃を圧迫し、胃痛が起きることがあります。よく言われる「後期づわり」になります。
一番の解決方法はお食事を5~6回に分けて行うことです。
一気に量を食べてしまうのではなく、今までのお食事を分食することで食べ過ぎも減り、胃への圧迫も軽減します。
どうしても辛く耐えられない時は、かかりつけの医師に相談し服用できる薬を処方してもらうことも良いと思います。
薬を飲むまででもない方は、消化に良いものを食べることを心がけましょう。
うどんや卵、脂身の少ないお肉はおすすめです。
塩分控えめにして栄養を摂取してみてください。
出産への不安があります。
妊娠後期に入り、いざ臨月が間近になると楽しみだった出産も少し不安に感じてしまうことがあります。
経験したことがないお産を迎えるとなると、不安な気持ちも大きくなると思います。
根本的な不安解消へは私たちパーソナルトレーナーに相談をしていただけると、
どんなことへの不安なのかを伺い、解決へ導くことができます。
体力面の不安はしっかりトレーニングをして、出産を迎えることができれば安心です。
心身の不安を解決するもう一つの方法は「マタニティヨガ」です。
マタニティヨガはエネルギーの調節や心身の健康にとてもおすすめです。
リラックスしてヨガを行うことでお腹の中の赤ちゃんと会話して、心を健康にすることができます。
一人で行うこともおすすめですが、お客様それぞれのお身体の特徴があるのでぜひインストラクターさんのレッスンを受けてみてください。
https://drtraining.jp/maternity_lp/
【筆者プロフィール】
Dr.トレーニング|マタニティ事業部責任者
青柳 陽祐
【学歴】
ラッセル大学 アスレティックトレーニング&スポーツサイエンス学部 ATC学科
【職歴】
慶應義塾大学医歯薬学部ラグビー部
東京健康科学専門学校 非常勤講師
コモゴルファーズアカデミー
【資格】
NATA-ATC(全米アスレティックトレーナーズ協会認定トレーナー)
【引用文献】
※1厚生労働省 事業主の皆様へ『マタニティハラスメントの起こらない職場づくりハンドブック』
https://joseishugyo.mhlw.go.jp/pdf/matanity_handbook.pdf
※2 津田茂子, 田中芳幸, & 津田彰. (2004). 妊娠後期における妊婦の心理的健康感と出産後のマタニティブルーズとの関連性. 行動医学研究, 10(2), 81-92.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbm/10/2/10_81/_pdf
※4 渡邊香織, 藤島和代, & 渡邊友美子. (2020). 妊娠中期と後期における腰痛と歩行および身体活動量の変化と関連性. 日本助産学会誌, JJAM-2019.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjam/advpub/0/advpub_JJAM-2019-0019/_pdf